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子宮筋腫について - 原因・症状・検査 病気を知ろう 医療特集 - メディカルiタウン


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医療特集

子宮筋腫について - 原因・症状・検査

これといった症状もないのに、がん検診や超音波などの健診を受けた際に「子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)」が見つかることがあります。どのような治療法があり、またその後の妊娠・出産は可能なのでしょうか?東北医科薬科大学若林病院産婦人科の渡辺正先生にお聞きしました。

東北医科薬科大学若林病院 産婦人科 部長 渡辺 正

お話を伺った先生:

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは、子宮の大部分を占めている筋肉(子宮筋層)の平滑筋(※1)に発生する良性の腫瘍を指します。婦人科の中では最も多い病気で、発症には女性ホルモンが関与しているため、性成熟期から閉経前までの年代(30~50代)に多く発生します。

※1 平滑筋(へいかつきん)とは、主に内臓や血管などの、自分の意志で動かすことはできない筋肉です。子宮の壁は、ほとんどが子宮筋層と呼ばれる平滑筋の層でできています。

子宮の位置関係

子宮は、大きく体部(たいぶ)と頸部(けいぶ)の2つの部分に分かれます(図1)。子宮の体部はちょうどニワトリの卵くらいの大きさで、筋腫のおよそ95%はこの体部に発生します。

図1 子宮の構造

図1 子宮の構造

筋腫の発生部位

筋腫は子宮のあらゆる場所に発生しますが、できる場所によって大きく3つの部位に分類されます(図2)。

筋層内筋腫

筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)は、子宮筋層内に発生して発育するもので、最も多いタイプです。小さいものはほとんど症状がありませんが、大きくなると不正性器出血(月経以外に起こる女性器からの出血)や流産・早産の原因にもなります。

漿膜下筋腫

漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)は、子宮の外側の漿膜という膜の直下に発生して発育します。他の種類の筋腫と違い目立った症状はなく、かなり大きくなるまで気づきにくいタイプです。

粘膜下筋腫

粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)は、子宮内膜の直下に発生し、子宮内腔の内側に向かって発育します。発生頻度は少ないですが、過多月経など出血に関連した症状が出やすいタイプです。不正性器出血や不妊症の原因になることもあります。粘膜下筋腫が腟に突出したものを筋腫分娩といいます。

筋層内筋腫
漿膜下筋腫
粘膜下筋腫
図2 子宮筋腫の発生部位

筋腫の形態

子宮筋腫は、発生する場所だけでなく、形や大きさも実に様々です。一般にこぶ状に丸く膨らみ、硬さは軟式野球のボールくらいで中身がギッシリ詰まった腫瘍(充実性の腫瘍)です。大きさは数mmから数10cmに及ぶものもあり、形も完全な球形ではなくて凹凸のある物もあります。大きい筋腫が1個~数個できる場合もあれば、小さな筋腫が数十個まとまってできる場合もあります。

また、筋腫は緩やかに大きくなることが多いのですが、段階的に大きくなるというわけではなく、あるとき急に大きくなったりすることもあります。

子宮筋腫の発生するメカニズム

子宮筋腫が発生するメカニズムは、まだはっきりと解明されていません。しかし、筋腫は初経前に発生することはなく、閉経後には縮小していくことが多く、卵巣から分泌される女性ホルモン(卵巣性ステロイドホルモン)が、その発生と増大に関与していると考えられています。

女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類がありますが、エストロゲンがより密接に関係しています。

遺伝要因・生活習慣

子宮筋腫は、「家族性」と言われるような遺伝要因についても解明されてはいません。しかし、体質的なことは当然似てきますので、母親に子宮筋腫があったのであれば注意を払っておきましょう。

乳がんや子宮体がんの発生には、食生活の欧米化などの生活習慣も関わっているとされていますが、子宮筋腫の場合には、これもまだはっきり分かっていません。

子宮筋腫の症状

子宮筋腫による主な症状は、筋腫のできる場所、数と大きさに応じて様々なものがあります。主として、子宮(筋腫)に直接関係する症状と子宮に隣接する部位で起こる症状とに大別されます。

子宮に直接関係する症状

子宮に直接関係する症状は、月経・性器出血に関する異常です。筋腫の発生部位では粘膜下筋腫で最も多い症状です。過多月経、過長月経、月経困難症状が代表的で、疲れやすくなるといった貧血の症状もみられます。

月経の異常には、月経時の出血量が生理用具が間に合わないほど異常に多い「過多月経」や、出血期間が目安とされる3日~7日(平均5日)を超えて続く「過長月経」があります。ただし、月経時以外に出血がある「不正性器出血」は、月経との区別が難しいことがあります。出血の異常があった場合は、基礎体温をつけてみると月経ではない出血かどうかを判断する手掛かりになります。

「月経困難症状」とは、いわゆる生理痛のことです。月経時に下腹部痛や腰痛などを訴え、仕事や日常生活にも支障が生じるほどのものをいいます。

出血が多いことと貧血とは密接に関係しています。貧血の自覚症状には個人差がありますが、一般的には顔色が悪くなったり、慢性的に疲れやすいといった症状が表れます。さらに、重度の貧血になると心臓や肺に負担がかかり、動悸や息切れを起こすこともあります。

【関連】月経困難症(病気事典)を読む

隣接する部位で起こる症状

出血などの自覚症状がない場合、気づかない間に筋腫が大きくなると、子宮に隣接した部位や周囲の臓器を圧迫することで症状が表れます。頻尿、便秘、腰痛が代表的です。

「頻尿」は、筋腫が前方にできた場合に膀胱を圧迫することで起きます。尿閉(にょうへい)といって尿が膀胱にたまっているのに排尿できない状態になることもあり、これには注意が必要です。「便秘」も同様に腸を圧迫することから起きますが、筋腫では比較的まれです。「腰痛」が起きやすいのは腹部から腰にかけてですが、他に原因がないか整形外科領域の疾患も確認します。

筋腫がみつかるきっかけ

これらの症状まで至らない場合でも、筋腫に気づくことがあります。腹囲が大きくなってスカートが履けなくなったとか、横たわったときに何げなく腹部に触れたら硬いしこりのようなものを感じた、といったケースです。

子宮筋腫の約半数は無症状のまま経過することから、婦人科にかかることもなく、子宮がん検診の際に指摘されるケースもあります。また、人間ドックや妊娠の疑いで産婦人科を受診した際に超音波検査(エコー)で見つかることもあります。超音波検査では、大きい筋腫のほうが見つかりやすい傾向があります。

子宮筋腫の統計

患者数・傾向

子宮筋腫を持っている人は、30歳以上の女性の20~30%以上とも言われており、4人に1人は筋腫があるということになります。

また、近年は増加傾向にあります。これは初経年齢が早まる一方で女性1人当たりの出産回数が減っているために、女性ホルモンにさらされる期間が長くなっていることと関係していると考えられています。

子宮筋腫の診断・検査

何科を受診したらよいか

子宮筋腫が疑われる症状が思い当たる場合は、婦人科を受診してください。腹痛や腰痛などで婦人科以外の科を受診した場合でも、原因がはっきりわからずに婦人科を紹介されることもあります。

問診

診察時には、まず問診でどのような症状が出ているかを尋ねます。特に月経時などの出血の量、持続日数、痛みについて、詳しくお話を聞きます。

診察・検査

婦人科で行う診察には、お腹の上から行う場合と、腟のほうから行う場合があります。患者さんから話を聞いた後に、診察を行います。貧血などの異常を調べるために血液検査を行う場合もあります。

超音波検査

一般に、婦人科では腟から子宮の大きさを触診する内診や、経腟超音波検査を行います。あわせて、子宮頸がんの健診にも行われる腟鏡診などの検査も行います。腹部からの診察や経腹超音波検査では腹部全体の観察が可能で、大きな筋腫を見つけるのに適しています。

MRI検査

超音波検査ですべての筋腫が分かるというわけではなく、正確な診断ができるのは精度が高いMRI検査です。多くの病院ではMRI検査を行うための断層装置を備えており、他の病気との鑑別(かんべつ)も行うことができます。

鑑別・注意すべき病気

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜組織が子宮以外の場所で増殖・進展する病気です。子宮内膜症の発症も女性ホルモンが影響し、こちらはエストロゲンの関与がより大きいとされています。また、子宮筋腫と子宮内膜症が合併している場合も少なくありません。

【関連】子宮内膜症(病気事典)を読む

子宮肉腫

子宮にできた腫瘍の多くは、良性腫瘍である子宮筋腫ですが、まれに子宮肉腫(しきゅうにくしゅ)という悪性腫瘍の場合もあります。

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子宮体がん

また、子宮の内側に筋腫がある場合には、子宮体がんと鑑別するために、子宮内から細胞を採取して検査を行います。子宮体がんの多くは中高年期以降に起こりますが、若年期に発見されることもあります。

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子宮腺筋症

子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)は、子宮内膜によく似た組織が子宮の筋層内にできる病気です。子宮以外の場所に子宮内膜によく似た組織ができる子宮内膜症とは区別されます。

子宮筋腫の場合はこぶができますが、子宮腺筋症の場合は、その部分の筋層が厚くなり、子宮の正常な部分との境界がはっきりしなくなるのが特長です。筋腫の場合には、後述する筋腫だけをくり抜く核出術(かくしゅつじゅつ)もしやすいのですが、腺筋症では子宮の筋肉の中に病変が浸潤(しんじゅん)しているために境界がはっきりせず、厚くなった部分だけを切除するのは難しくなります。

また、子宮筋腫のように見えて、実は卵巣にできた筋腫によく似た充実性の腫瘍だということもあります。

渡辺 正先生の詳細プロフィール
東北医科薬科大学若林病院 産婦人科 部長 渡辺 正

東北医科薬科大学若林病院 産婦人科 部長

取得専門医・認定医

  • 日本産科婦人科学会専門医
  • 日本生殖医学会 生殖医療専門医
  • 日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医
  • 日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定制度 技術審査委員
  • 日本内視鏡外科学会 技術認定医
  • 母体保護法指定医

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