病気事典[家庭の医学]

きょうくうどれなーじ

胸腔ドレナージ

胸腔ドレナージについて解説します。

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胸腔ドレナージの解説(コラム)

 気胸、開放性気胸、緊張性気胸、血胸(けっきょう)、血気胸(けっききょう)などの際に行われる治療法です。胸腔内に胸腔ドレーンと呼ばれるチューブを挿入して、胸腔内に溜まった空気や血液を体外へ排出することで、虚脱(きょだつ)(収縮)した肺を再び膨張(ぼうちょう)させ、呼吸障害を軽くすることができます(図39)。

 チューブは通常、第5〜6肋間の前〜中腋下線から挿入します。胸腔内は、常に陰圧(外界よりも低い)を保っていなければ呼吸障害が現れるので、チューブの端は接続管をへて低圧持続吸引器に接続し、マイナス5〜20cm2Oの陰圧で吸引します。

 チューブを挿入したら、空気漏出と血液流出の状態を経時的にチェックし、胸部X線撮影で胸腔内の変化を観察します。その結果、必要があれば、緊急開胸手術を行います。

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