病気事典[家庭の医学]
いしきしょうがいのじゅうしょうど(じぇーしーえすとじーしーえす)
意識障害の重症度(JCSとGCS)
意識障害の重症度(JCSとGCS)について解説します。
執筆者:
慶應義塾大学医学部救急医学専任講師 並木 淳
意識障害の重症度(JCSとGCS)の解説(コラム)
意識は“あり、なし”で2つに分けられるものではなく、意識がはっきりしている清明(せいめい)と、意識がまったくない深昏睡(しんこんすい)の間にいくつかの段階があります。
代表的な意識障害の重症度評価が、日本で広く用いられているJCS(ジャパン・コーマ・スケール、別名3‐3‐9度)と、世界的に使われているGCS(グラスゴー・コーマ・スケール)です。
(1)JCS
刺激しないでも覚醒(かくせい)(眼を開けてまばたきしているか、応答が可能)している状態を1桁、声や痛みの刺激により覚醒する状態を2桁、刺激しても覚醒しない状態を3桁として、それぞれをさらに3段階に分けます。このほかに意識清明を0とするので、深昏睡の300まで、意識は10段階に分類されます(表3)。
(2)GCS
開眼の反応をE、言葉の反応をV、運動の反応をMとして、それぞれにスコアを付けて合計点で評価します。意識清明はEが4、Vが5、Mが6で合計15、深昏睡はそれぞれ1で合計3になります(表4)。8以下を重症頭部外傷と定義し、JCSでは30以上に相当します。
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