病気事典[家庭の医学]
がんけんれっしょう
眼瞼裂傷
眼瞼裂傷について解説します。
執筆者:
慶応義塾大学医学部眼科学教授 坪田一男
東京歯科大学市川総合病院眼科 鹿島みのり
検査と診断
眼球の損傷の有無を確認するため、可能な限り眼を開き、顕微鏡を用いて眼球を診察します。可能であれば視力・眼圧・眼底の検査を行います。眼瞼裂傷は眼窩骨折(がんかこっせつ)を伴うことも多いため、X線検査やCT検査を行うこともあります。裂傷からの出血で、眼球および眼窩骨の検査ができない場合は、裂傷の縫合を先に行うこともあります。
眼瞼の鼻側には涙小管(るいしょうかん)という涙の出口があるため、受傷直後から流涙がある場合や裂傷が鼻側に存在している場合は涙小管断裂を疑い、涙の通り道の検査(通水試験)を行うこともあります。
治療の方法
抗生物質を添加した生理食塩水などで十分に傷口を洗って、異物を取り除きます。次に傷の状態を十分に把握するため、圧迫止血を行ったのち、皮下浸潤(しんじゅん)麻酔を行います。傷の深さに応じて、シルクまたはナイロンの糸で縫い合わせます。感染の可能性があるため抗生物質の内服薬を処方し、随時消毒を行います。皮膚の縫合糸は1~2週間で抜糸できます。また、涙小管断裂の場合は涙小管チューブ置換術といって、涙の通り道を確保する方法がとられます。
応急処置はどうする
清潔な布でしっかりと傷を押さえて止血し、早急に医療機関を受診してください。
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