病気事典[家庭の医学]

こうもんしっかんのせいかつりょうほう

肛門疾患の生活療法

肛門疾患の生活療法について解説します。

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肛門疾患の生活療法の解説(コラム)

 肛門は排便に関連した部位であるために、日常の生活上で注意しなければならないことがたくさんあります。

 第一に肛門衛生です。便などの汚物が肛門に付着したままだと、痔がある肛門部位を刺激し、痛み、出血、疼痛などの肛門疾患の症状を悪化させ、また病状も悪化させます。

 排便後は紙でふきとるだけでなく、温湯で十分に洗う習慣が大切です。紙でふくのは汚物を完全に除去するよりは、かえって汚物を肛門の周囲のヒダにすり込む結果になってしまいます。

 また入浴時は、肛門周囲を温湯で洗い乾燥させておくことが重要です。石鹸を使ったら、十分に洗い流しておくことが大切です。石鹸が付着したままではかえって局所を刺激し、患部によくありません。

 次に重要なのは便通を整えるようにすることです。便秘は痔核(じかく)、裂肛(れっこう)の、そして下痢は痔瘻(じろう)の原因といえます。

 便秘は、ただ単に下剤に頼ることではなく食事療法が大切です。繊維を多く含んだものを食べるようにし、水分も十分にとるようにします。

 排便したくなったら我慢しないこと、朝食を十分にとるといったことも便秘を防ぐには必要です。

 下痢は暴飲、暴食を避け、アルコールの飲みすぎに注意して防ぐようにします。

 そのほかでは、長時間同一姿勢をとらない、トイレで長居をしない、いきみすぎないなどといった肛門に負担をかけない注意や、香辛料やアルコールなどのとりすぎに注意することも大切です。

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