医療特集

大腸がん検診

42歳 会社員  倉田 貴(仮名)

【検診のきっかけ】 「40歳を過ぎたら定期的に検査を」と医師に勧められて

去年のゴールデンウイーク前、急におへその上あたりに痛みが走り、知り合いの先生に相談したところ大腸の内視鏡検査を勧められました。大腸の内視鏡は2年ほど前にも受けたことがあるのですが、40歳を過ぎているなら定期的に受けたほうがよいとのことでした。

私は胃の内視鏡も2回ほど受けたことがあるのですが、最初の検査のときは無痛ではなかったため、ただただ苦しいばかりでした。2回目は無痛でしてもらったところとても楽だったので、以来、「内視鏡検査は無痛に限る!」と、今回も内視鏡専門のクリニックで無痛で大腸の内視鏡検査をすることにしました。

検査にあたっては事前に一度クリニックを訪れ、血液検査や問診を受け、腸を空っぽにするための下剤セットをもらいます。何が大変かというと、検査の前日、この下剤を飲み切るのが一番大変でした。なにしろ専用のペットボトルに下剤の粉を入れて水で溶いたもの(2リットルぐらい)を、一定の時間内にがぶがぶ飲み干さなければならないのです。

大腸がん検診

味はポカリスエットに近くまずくはないですが、それだけの量を飲むのは想像するよりもしんどい作業です。それに時間さえあればとにかく水を飲むよう指示されました。 言われたとおりごくごく飲んでいると、しばらくしてお腹がゴロゴロしだし、ものすごい下痢になります。その夜は遅くまで何回もトイレに行かなくてはならず、最後は水のような状態になるまで出し切りました。自宅のトイレを温水便座器にしておいて良かったと、このときほど切実に思ったことはありません。

【検診の内容】 麻酔のおかげで眠っている間に検査終了

検査当日はクリニックで最後のトイレに行ったあと、ようやく検査のスタートです。上半身はTシャツのままでしたが、下はお尻の穴の部分が開いた紙製のパンツを着けさせられました。

検査室ではまず検査台に仰向けになり、麻酔の注射をします。とろんとしてきたところで、言われるままに膝を曲げて横になると、看護師さんがカメラが滑りやすいよう肛門にゼリーを塗ってくれました。それから先生が「入れますよ」と言って内視鏡を入れてきたのですが、肛門に内視鏡を入れたと同時に、大腸の管を広げるための空気を肛門から送り込まれました。あれだけ下剤で空っぽにしたにもかかわらず、空気を送り込まれた瞬間、思わず「あっ!」ともよおしそうになりました。ここは我慢我慢とこらえていましたが、もともと体質的に麻酔に弱いせいか、そのうちコロンと寝てしまいました。おそらく15分ほどだと思いますが、寝ている間に検査はあっけなく終了です。そのままリカバリー室で休ませてもらい、一時間後に拮抗薬を打たれ起こされました。

胃の内視鏡も無痛であればそれほど苦しくありませんが、胃と大腸の両方を経験した私としては、大腸の内視鏡検査のほうがより痛みや違和感が少なく、比較的楽なように思います。

【検診後の感想】 技術やフォロー体制など信頼できる医療機関を探そう

検査中、お腹に空気を送り込まれたので、検査が終わった直後はお腹がぱんぱんです。帰りの電車でうっかりオナラをしようものなら、下剤の影響でそのまま中身が出てしまいそうでかなり気を遣いました(実際には腸の中には空気しか入っていませんが……)。ただし心配だったのはその点ぐらいで、検査後はすぐにご飯も食べられ、日常生活に大きな支障はありませんでした。やはり前日からの“下剤&水攻め”が一番の苦痛だったでしょうか。

検査の結果、大腸がただれているというだけで、特に不正な出血や腫瘍はなかったので、とりあえず安心しました。 大腸の内視鏡検査は、上手な先生にお願いすれば、想像するよりもずいぶん楽な検査だと思います。検査先を探す際には、実際にそこで検査を受けた人の話を聞くのが一番ですが、なかでも内視鏡を専門にしているクリニックは、検査の腕だけでお客さんを呼んでいるぶん、腕は確かだと思います。それから、アフターフォローがしっかりしている点も重要です。初めて胃の内視鏡検査を受けた病院では、検査後、廊下のベンチに座って休んでいてくださいと言われ、検査で弱っている身にはかなりつらい思いをしました。

さすがに大腸の内視鏡では座って休んでくださいと言われることはないでしょうが、内視鏡検査を受ける場合は事前にリカバリー室が完備されているかどうかといった、その医療機関のフォロー体制をきっちりチェックすることも大事だと思います。40歳を過ぎたら内視鏡検査を受ける機会が増えてくると思いますので、ぜひとも、信頼して任せられる医療機関を見つけておくことをお勧めします。

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