病気事典[家庭の医学]
きゅうせいはんじりつしんけいいじょうしょう
急性汎自律神経異常症
急性汎自律神経異常症について解説します。
執筆者:
興生会相模台病院副院長/北里大学名誉教授
齋藤豊和
急性汎自律神経異常症の解説(コラム)
急性(数日以内)あるいは亜急性(約1週間前後)に起こり、自律神経系に限られた障害が現れる疾患です。交感神経、副交感神経が侵された結果、著しい起立性低血圧(時に失神発作を起こす)、排尿障害、陰萎(いんい)(インポテンツ)、消化器症状(嘔吐、下痢、便秘)、発汗障害、瞳孔(どうこう)異常、唾液・涙液分泌障害などが現れます。感覚障害や運動障害は現れないことが原則です。激しい腹痛のために、外科的に開腹手術を行ってしまう場合もあります。
感冒様症状、消化器症状などを伴ったり、ウイルス感染(風疹(ふうしん)、単純ヘルペスなど)に伴って発症しますが、まったく原因がわからない場合もあります。感染では、免疫アレルギー機序(仕組み)が介在して発症するとされています。
予後は比較的良好ですが、完治せずに何らかの症状が長引くことも少なくありません。
時に、感染が終わったあとに症状が現れてくる、感染後汎自律神経異常症という病気もあります。
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