病気事典[家庭の医学]
まっしょうしんけいでんどうそくど
末梢神経伝導速度
末梢神経伝導速度について解説します。
執筆者:
興生会相模台病院副院長/北里大学名誉教授
齋藤豊和
末梢神経伝導速度の解説(コラム)
脊髄(せきずい)の前角(ぜんかく)細胞から四肢、体幹の筋肉に向かっては運動神経が、皮膚や関節からは脊髄に向かって感覚神経が走っています。この運動神経、感覚神経の機能は、これらの神経の伝導を測定することにより判定できます。
一本一本の神経の構造は鉛筆に似ており、鉛筆の芯にあたるのが軸索(じくさく)、芯をおおっている木の部分にあたるのは髄鞘(ずいしょう)と呼ばれます。髄鞘におおわれている線維は有髄(ゆうずい)線維と呼ばれ、髄鞘には等間隔でくびれ(ランヴィエ絞輪(こうりん))があり、神経の伝導はこのランヴィエ絞輪部を次々に跳んで(跳躍伝導)先に速く進んでいきます(図27)。
したがってこの髄鞘が侵されると、跳躍伝導ができずに、神経伝導速度は低下します。神経伝導速度は神経線維のうち、最も太い線維の機能を表しています。感覚神経も同様です。
軸索の機能も伝導検査で調べることができます。軸索は、神経や筋肉などが正常に機能するように栄養因子などを輸送する道になっています。運動神経では、この道が損なわれると物質の輸送ができずに、物質を受け取る筋肉が萎縮(いしゅく)してしまいます。細い線維(痛み、冷・温覚)の機能をそれぞれ個々に測定して、臨床に応用する技術が確立され始めました。
髄鞘が侵されることを脱髄(だつずい)、軸索が侵されることを軸索変性と呼び、ニューロパチーを大まかにこの2つのタイプに分けています。事故などで神経が完全に切断された場合をワーラー変性と呼んでいます。この場合は、神経伝導速度はまったく測れなくなります。
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情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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