ページ内を移動するためのリンクです

日常多く使われる薬の中毒・副作用 病気事典[家庭の医学] - メディカルiタウン


ここから本文です

病気事典[家庭の医学]

にちじょうおおくつかわれるくすりのちゅうどく・ふくさよう

日常多く使われる薬の中毒・副作用

日常多く使われる薬の中毒・副作用について解説します。

執筆者:

日常よく使われる薬でその有害作用に注意しなければならないものには、(1)向精神薬、(2)睡眠薬、(3)解熱鎮痛薬(総合感冒薬を含めて)があり、まれですが重要なものに、(4)麻薬・覚醒剤(かくせいざい)があります。

向精神薬(こうせいしんやく)

脳に作用して脳のはたらきに影響する薬を総称して向精神薬といいます。効き目が強く精神疾患に用いられる抗精神病薬や、うつ病に用いられる抗うつ薬などがあります。

(1)抗精神病薬中毒

一般に精神を鎮静化させるもので、眠気をおぼえ、判断が鈍くなり、周囲に無関心になるので、車の運転や危険な作業はひかえる必要があります。また、血管、呼吸、消化器などすべての体の自律神経系を抑えるため、起立性低血圧・不整脈、呼吸抑制、口の渇き、鼻づまり、光がまぶしい、尿が出せなくなる(尿閉(にょうへい))、嘔吐やイレウス腸閉塞)などもみられます。

さらに筋の動きや運動を調節する錐体外路系(すいたいがいろけい)に作用して、パーキンソン症候群を起こします。肝臓や骨髄(こつずい)にも作用して、黄疸(おうだん)や白血球減少症も起こします。

最も有名なものが悪性症候群で、急激な高熱、筋強剛(きょうごう)(筋肉が硬くなる)、頻脈(ひんみゃく)、発汗、血圧上昇、頻呼吸、意識障害、無言、無動などがみられ、危険な状態になります。ただちに服薬を中止して医師の診察を受けてください。

(2)抗うつ薬中毒

うつ病の治療には、三環系・四環系抗うつ薬(イミプラミン、アンセリンなど)や、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(パロキセチンなど)が用いられています。通常量服用の100万人あたりの致死中毒数は、前者で10~30人以上、後者で10人以下とされています。

中毒症状では、(1)心臓毒性(不整脈、心停止、低血圧)、(2)昏睡(こんすい)(せん妄、精神状態の悪化、あせり、発汗、筋の協調障害)、(3)けいれんがみられます。そのほか、ミオクローヌス(筋肉がピクピク動く)、震えがみられ、筋障害、腎不全、妄想(もうそう)、高血圧便秘緑内障(りょくないしょう)、呼吸不全を起こすこともあります。なお、躁(そう)状態に用いられるリチウム剤でも、嘔吐、下痢、意識障害、けいれん、乏尿(ぼうにょう)(尿が著しく少なくなる)がみられます。

(3)睡眠薬中毒

以前はバルビツール系の薬が多く使われ、自殺などにも用いられましたが、最近ではベンゾジアゼピン系の薬が用いられ、高い安全性と自然に近い睡眠作用が得られています。しかし、大量摂取では中毒を起こします。中毒の大部分は、自殺目的によるものです。いずれも主症状は、意識障害、血圧低下、呼吸抑制です。

バルビツール系の薬では、連用すると慣れ(耐性)が現れやすく、徐々に量が増え、また、やめられなくなります(依存症)。服用をやめると精神不穏、震え、立ちくらみ、けいれんが起こり、異常な精神状態になります(退薬症候群)。

ベンゾジアゼピン系の薬は、一般に摂取量が多くても生命の危険は少ないとされていますが、重症例では、前述の向精神薬中毒と同じ症状がみられることがあります。特殊な拮抗薬として、フルマゼニル(アネキセート)があります。

解熱鎮痛薬(げねつちんつうやく)

体温を調節する脳の中枢に作用して熱を下げ、同様に多くは痛みを鎮める作用をもっています。アスピリン、非ステロイド性消炎薬、アセトアミノフェンなどの中毒がしばしばみられます。

(1)アスピリン中毒

成人の経口最小中毒量は8~10g、致死量は20~30gとされています。低用量では胃腸障害(胃炎、胃腸管出血)、少し量が多いと嘔吐、耳の聞こえが悪くなる、耳鳴り、中毒量ではけいれん、腎不全などがみられます(図4)。診断には、血中アスピリン濃度の測定が有用です。治療には胃洗浄、催吐(さいと)、尿のアルカリ化(排泄が容易になります)、血液透析(とうせき)、強制利尿(りにょう)などの方法が用いられます。

人によっては少量で喘息(ぜんそく)を起こします(アスピリン喘息)。

(2)非ステロイド性消炎薬

現在、極めて多くの薬が用いられています。アスピリンとほぼ同様の中毒症状がみられますが、とくに胃腸出血、肝障害、腎障害、けいれんが注目されています。高齢者では胃出血、腎不全を起こすことが多く、要注意です。

(3)アセトアミノフェン中毒

よく効く解熱剤として、総合感冒薬に入っています。量が多いと肝臓で解毒に用いられるグルタチオンが枯渇(こかつ)し、肝臓が壊死を起こして中毒になります。

まず悪心(おしん)(吐き気)、嘔吐、発汗、全身倦怠感(けんたいかん)が現れ、肝機能検査値が異常になり、やがて黄疸(おうだん)、意識障害が現れます。服用後24~48時間で症状がいったん軽くなることもありますが、やがて悪化するので判断を誤らないように注意します。中毒量は小児で150㎎/㎏程度、大人で200㎎/㎏程度とされています。特殊な解毒薬にN‐アセチルシステインがあります。

自分勝手にかぜ薬(1包または1錠中、アセトアミノフェンが40~480㎎含まれている)を多種類、または多量に、長期間服用するのは極めて危険です。

麻薬(まやく)・覚醒剤(かくせいざい)

(1)麻薬中毒

a.急性中毒では意識障害、呼吸抑制、縮瞳(しゅくどう)(瞳孔がピンホールのように小さくなる)、脈が遅い、血圧や体温の低下がみられます。治療の誤りや自殺目的の使用でみられます。

b.慢性中毒では依存症が中心で、便秘無月経、気分の変動、不機嫌、意欲の減退、うその言動もみられ、また薬の使用量の増加、頻度の増加がみられます。禁断症状としては、あくび、鼻汁、つばの増加、発汗、鳥肌、不安、下痢、腹痛、不眠、興奮、血圧上昇など“自律神経の嵐”状態が現れます。

(2)覚醒剤中毒

中毒では、幻覚、せん妄、錯乱(さくらん)などの強度の精神症状と頻脈(ひんみゃく)、高血圧、体温上昇、けいれんがみられます。死亡の原因は心筋虚血(きょけつ)、高体温によります。身体的依存は通常みられません(表9)。

覚醒剤や麻薬はいったん慢性中毒になると、多くの場合、本人はもちろん家族、知人までもが不幸のどん底に陥ります。さらに治すのが非常に難しく、また苦労して治してもふたたび中毒になることが多い薬です。したがって中毒に陥らぬように自らを律することや、社会的予防体制の確立が重要です。

日常多く使われる薬の中毒・副作用の初診に適した診療科目

病院検索の都道府県選択へ遷移します。

中毒と環境因子による病気を小分類から探す

かかりつけ医をもとう!

通いやすい場所と診療科目から自分に合った医療機関を探してみましょう。

iタウンページで内科を探す

×
検索履歴(場所):

情報提供元 : (C)株式会社 法研執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。

つながるタウンページ会員


ここからフッター情報です

iタウンページ&タウンページコンテンツ
iタウンページコンテンツ

ページはここまでです

ページの先頭へ戻ります

×