病気事典[家庭の医学]
せんようけいいじょう
線溶系異常
線溶系異常について解説します。
執筆者:
名古屋大学医学部保健学科教授
小嶋哲人
線溶系異常の解説(コラム)
外傷などの際には、血液はすみやかに凝固して止血血栓をつくりますが、同時に過剰な血栓を除去する線溶糸の反応がはたらき、正常な血流が保たれています。
この反応には、血栓を溶かすプラスミン、プラスミンのはたらきを制御している
この線溶系異常による先天性出血性疾患には、tPA過剰症、PAI‐1欠損症、
線溶系異常による出血症状の治療には、抗線溶薬であるトラネキサム酸(トランサミン)投与が有効です。
後天的な線溶系異常による出血傾向は、播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群(DIC)、とくに前骨髄球性(ぜんこつずいきゅうせい)白血病に伴うDICにみられます。この場合、抗線溶薬であるトランサミンの投与は微小血栓形成の憎悪(ぞうあく)に伴う臓器症状の悪化を引き起こすので、むしろ禁忌となります。
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