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妊娠の診断 病気事典[家庭の医学] - メディカルiタウン


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病気事典[家庭の医学]

にんしんのしんだん

妊娠の診断

妊娠の診断について解説します。

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妊娠の診断とは、妊娠していること、つまり胎児が女性の体内に存在していることを証明することです。この証明方法には、妊娠の可能性を示すものと、絶対に妊娠していることを示すものとがあります。現代の産婦人科診療では、医師は、後者の方法を用いて妊娠診断をしています。

妊娠の可能性を示すもの

(1)月経が止まる

妊娠が成立すると、胎盤(たいばん)から出るヒト絨毛性性腺刺激(じゅうもうせいせいせんしげき)ホルモン(hCG)のはたらきによって、黄体(おうたい)は刺激されて妊娠黄体になり退縮しなくなります。このため、黄体からのホルモンが分泌され続け、月経が止まります。したがって、月経が順調に来ている女性が急に無月経になった場合は、まず妊娠を疑う必要があります。

しかし、もともと月経が不順な女性はもちろん、順調な女性でも、妊娠とは無関係に、急に排卵が止まって無月経になることがあり、無月経がただちに妊娠を示すものではありません。

(2)吐き気、嘔吐(おうと)がある

妊娠すると、多くの女性につわりが起こります。つわりは、妊娠に伴って、嗜好(しこう)の変化や吐き気、嘔吐が起こる病気であり、無月経に伴ってこうした症状がある場合は妊娠を疑う必要があります。しかし、消化器系の病気を合併していても、こうした症状は起こりうるので、妊娠を示す絶対的な症状ではありません。

(3)胎動(たいどう)の自覚がある

子宮内で胎児が動くこと(胎動)を女性が感じるのは、妊娠20週ころからです。胎動は妊娠の可能性を示しますが、自覚の段階では、あくまでも可能性にすぎません。妊娠を強く願う女性では、腸のぜん動を胎動と勘違いすることがあるので、注意が必要です。

(4)腹部が膨隆(ぼうりゅう)する

妊娠に伴い、子宮は大きくなってくるので、妊娠16週ころから、子宮の増大は腹部の張りやふくらみとして観察できます。したがって、無月経に伴って、腹部がふくらんでいる場合は妊娠を疑うべきです。しかし、空気をのみ込んで腹部がふくらむ呑気症(どんきしょう)という病気もあるので、この所見がただちに妊娠を示すものとはいえません。妊娠を強く願う女性では、妊娠していないのに無月経が起こり、腹部がふくらみ、胎動まで自覚することがあるのです(いわゆる想像妊娠)。

(5)女性性器の変化

妊娠すると子宮は大きく、軟らかくなり、形も西洋ナシ形から卵円形へと変化します。また、子宮頸部(けいぶ)も軟らかくなります。さらに、子宮頸部や腟は充血するため、色が非妊娠時のピンク色から暗紫赤色に変化し、分泌物も増えます。

昔は、無月経とともにこのような症状が観察されると、産婦人科医は妊娠と診断していました。しかし、これらの症状は他の婦人科疾患や骨盤の充血でも起こることがあり、妊娠を100%示すものではありません。

(6)尿妊娠反応および基礎体温の高温相持続

妊娠が成立すると、受精卵から胎盤を形成する絨毛細胞(じゅうもうさいぼう)(栄養膜細胞)が分化します。絨毛細胞はhCGを分泌し、黄体を刺激して卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌を促し、妊娠を維持させます。これらのホルモンにより、月経は止まり基礎体温は高温が続きます。hCGは母体の血中に分泌され、腎臓をとおって尿中に排出されます。この尿中のhCGを検出する検査が、尿妊娠反応(にょうにんしんはんのう)です。

現在行われている検査は、免疫反応を利用した免疫学的尿妊娠反応です。hCGと特異的に結合する蛋白(抗体)と尿中のhCGを反応させ、結合したhCG‐抗体複合体を、酵素発色反応などで検査する方法です。最近は、抗体の感度と特異性を向上させた新しい検査キットが市販されていて、月経予定日を1日過ぎただけの段階でも、妊娠を調べることが可能になりました。

ただし、尿妊娠反応はあくまでも、体内にhCGを分泌するものがあることを示すだけであり、妊娠でなくても、絨毛性腫瘍などのhCG産生腫瘍があると反応が陽性になります。

絶対に妊娠していることを示すもの

(1)超音波断層法

妊娠を知る確実な診断法は超音波断層法です。超音波断層検査で子宮内を画像診断すると、妊娠していることを示す袋(胎嚢(たいのう))、あるいは胎児の存在を見ることができます(図14)。

胎嚢は経腟超音波断層法(けいちつちょうおんぱだんそうほう)で妊娠5週(受精後3週)ころから検知可能で、胎児の心拍も妊娠6週(受精後4週)ころから検知可能です。また、胎嚢や胎児の大きさを測定することによって、妊娠週数の正確な診断も可能です。現代の産婦人科診療では、妊娠の診断はすべてこの方法で行われています。

超音波断層法は、単に妊娠が成立しているかどうかを診断するだけでなく、流産子宮外妊娠の診断にも用いられます。出血、腹痛などの流産の症状がなくても、妊娠週数が十分であるにもかかわらず子宮内に胎児の心拍が確認できなければ、流産と診断されます。

また、妊娠反応が陽性でも子宮内に胎嚢が存在せず、子宮外の場所に胎嚢が存在している場合は、子宮外妊娠と診断されます。

(2)胎児心音(たいじしんおん)の検知

母体の腹壁をとおして胎児の心音が聞こえれば、胎児が存在していることが示され、妊娠と診断できます。超音波ドプラー検査を行えば、妊娠12週ころから、胎児心拍を音に変換して検知できます。

(3)胎動の他覚

胎動を妊婦本人ではなく、第三者が検知した場合は、母体内に確実に胎児が存在します。

胎児心音の検出や胎動の他覚的認知(本人の自覚ではない)も、確実に妊娠していることを示す所見ですが、この認知は胎児がある程度育ってからでないと不可能であり、妊娠の早期診断には使えない方法です。

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