病気事典[家庭の医学]

でんせんせいなんぞくしゅ(みずいぼ)

伝染性軟属腫(みずいぼ)<感染症>

伝染性軟属腫(みずいぼ)<感染症>について解説します。

執筆者:

どんな感染症か

ポックスウイルス科モルシポックスウイルス属の、伝染性軟属腫ウイルスの感染によります。いわゆる「みずいぼ」のことです。一般に小児、とくにアトピー性皮膚炎の小児によく起こり、プールで感染することが多くみられます。

また、性行為感染症(STI)として、成人の性器に多発することがあります。

症状の現れ方

主に、毛包(もうほう)から感染します。2~7週の潜伏期ののちに、粟粒(ぞくりゅう)大~大豆大(1~数㎜大)までの、中央に凹みのあるドーム状の腫瘍が、体幹部や四肢に多発します。

表面は平滑で、白色~皮膚色で蝋(ろう)のような光沢があり、数個あるいは無数に散在したり集まったりしています。周囲が湿疹化し、かゆみを伴うことがあります。

検査と診断

ピンセットでつまむと、乳白色の粥状(じゅくじょう)物質が押し出されるのが特徴です。ひとつだけの場合、いぼ稗粒腫(はいりゅうしゅ)(眼のまわりの小さな白っぽいできもの)との区別が必要で、切除して組織像で診断します。

治療の方法

ピンセットで一つ一つ摘み取るのが最も確実な方法です。液体窒素(ちっそ)による凍結療法や、硝酸銀(しょうさんぎん)などの腐食剤などで取る方法もあります。みずいぼは数カ月から数年、持続しますが、自然に、または外傷や細菌感染をきっかけに治ります。再感染もしばしば起こります。

病気に気づいたらどうする

みずいぼが増えない前に、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。

情報提供元 : (C)株式会社 法研 執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。