病気事典[家庭の医学]
でんせんせいなんぞくしゅ(みずいぼ)
伝染性軟属腫(みずいぼ)<感染症>
伝染性軟属腫(みずいぼ)<感染症>について解説します。
執筆者:
東京慈恵会医科大学附属青戸病院皮膚科診療部長・教授
本田まりこ
どんな感染症か
ポックスウイルス科モルシポックスウイルス属の、伝染性軟属腫ウイルスの感染によります。いわゆる「みずいぼ」のことです。一般に小児、とくにアトピー性皮膚炎の小児によく起こり、プールで感染することが多くみられます。
また、性行為感染症(STI)として、成人の性器に多発することがあります。
症状の現れ方
主に、毛包(もうほう)から感染します。2~7週の潜伏期ののちに、粟粒(ぞくりゅう)大~大豆大(1~数㎜大)までの、中央に凹みのあるドーム状の腫瘍が、体幹部や四肢に多発します。
表面は平滑で、白色~皮膚色で蝋(ろう)のような光沢があり、数個あるいは無数に散在したり集まったりしています。周囲が湿疹化し、かゆみを伴うことがあります。
検査と診断
ピンセットでつまむと、乳白色の粥状(じゅくじょう)物質が押し出されるのが特徴です。ひとつだけの場合、いぼや稗粒腫(はいりゅうしゅ)(眼のまわりの小さな白っぽいできもの)との区別が必要で、切除して組織像で診断します。
治療の方法
ピンセットで一つ一つ摘み取るのが最も確実な方法です。液体窒素(ちっそ)による凍結療法や、硝酸銀(しょうさんぎん)などの腐食剤などで取る方法もあります。みずいぼは数カ月から数年、持続しますが、自然に、または外傷や細菌感染をきっかけに治ります。再感染もしばしば起こります。
病気に気づいたらどうする
みずいぼが増えない前に、できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。
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情報提供元 :
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