病気事典[家庭の医学]

せきずいせい(しんこうせい)きんいしゅくしょう

脊髄性(進行性)筋萎縮症

脊髄性(進行性)筋萎縮症について解説します。

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どんな病気か

主に脊髄前角(せきずいぜんかく)の運動神経細胞が変性して、全身の筋力低下と筋萎縮が徐々に進行する運動ニューロン(神経)病です。

運動ニューロン病として、上位運動ニューロン障害(錐体路(すいたいろ)障害)と下位運動ニューロン障害(脊髄前角細胞以下の運動神経の障害)、ともに出現する筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)が有名ですが、下位運動ニューロンだけが障害されるのが脊髄性(進行性)筋萎縮症です。

遺伝性と非遺伝性

この病気は主に、乳幼児期から小児期に症状が出始め、原因遺伝子が判明しているウェルドニッヒ・ホフマン病クーゲルベルグ・ヴェランダー病を指すことが多いのですが、成人発症の場合は、脊髄前角細胞が障害される一連の疾患群として、遺伝性のもの・非遺伝性のものが混在した疾患群であり、場合によっては、球脊髄性(きゅうせきずいせい)筋萎縮症や筋萎縮性側索硬化症の境界例が含まれていることがあります。

小児期のものは別項を参照してください。

症状の現れ方

成人の脊髄性(進行性)筋萎縮症では、全身の筋力低下と筋萎縮・筋のぴくつきなどの症状が現れ、深部腱反射の減弱・消失を認めます。

また、上肢遠位に始まる筋萎縮、筋力低下、筋のぴくつきが全身に広がって、運動機能が低下するものや、体幹に近い四肢の筋肉、とくに肩甲骨周囲の筋萎縮が初発のものもあります。

治療の方法

経過は進行がゆっくりのため比較的良好です。筋力低下に合わせたリハビリテーションを行います。

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