病気事典[家庭の医学]

きゅうせいかいはくずいえん(ぽりお)

急性灰白髄炎(ポリオ)

急性灰白髄炎(ポリオ)について解説します。

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どんな病気か

脊髄(せきずい)の運動神経細胞(前角(ぜんかく)細胞)が破壊されて左右非対称性の麻痺を残す病気です。現在では世界中の一部の地域を除いてポリオワクチンによる抑制に成功し、まれにワクチンの副作用としてのポリオ様麻痺の報告があるだけです。

原因は何か

ポリオウイルスによる感染症です。経口感染し、潜伏期間は3~21日(多くは1~2週間)です。

症状の現れ方

感染者の90%以上が無症状に経過し、数%に発熱、感冒様(かんぼうよう)症状、下痢、無菌性髄膜炎(ずいまくえん)が発症します。症状が現れた人の5人に1人程度、とくに年長児や成人で解熱の前後に麻痺が現れます。麻痺は片側の下肢に多く、筋肉も萎縮(いしゅく)してきます。

診断と治療の方法

ウイルス検査と抗体検査で診断します。

有効な治療薬はなく、ワクチンによる予防が必要です。現行の生ワクチンは前記のように麻痺を起こすことがあるので、不活化ワクチンが検討されています。

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