病気事典[家庭の医学]
月経がおかしい<女性>
執筆者: 昭和大学横浜市北部病院院長 田口 進
女性に特有の症状
女性に特有の症状には、乳房、子宮・腟(ちつ)・卵巣などの病気や、月経の異常、妊娠や出産の異常などからくるものがあります。ここでは、そのなかから月経の異常、不正性器出血、おりもの、下腹部痛、乳房の病気についてみていきます。
月経の異常から考えられる主な病気
主な症状と、付随する症状から、疑われる病気を調べることができます。
病気名を選択すると、その病気の解説へ遷移します。
| 症状 | 疑われる病気名 |
|---|---|
| 18歳を過ぎても初経がない | 原発性無月経 、 処女膜閉鎖 、 鎖陰 、 腟欠損 、 腟中隔 、 ターナー症候群 、 性分化異常 、 先端巨大症 、 成長ホルモン分泌不全性低身長症 |
| 3カ月以上月経がない | 続発性無月経 、 卵巣機能低下症 、 下垂体炎 、 下垂体前葉機能低下症 、 無月経・乳汁分泌症候群 、 高プロラクチン血症 、 先端巨大症 、 甲状腺機能低下症 、 クッシング症候群 、 摂食障害 、体重減少、精神的ストレス |
| 周期が長い | 稀発月経 、 ターナー症候群 、 先端巨大症 、 成長ホルモン分泌不全性低身長症 、 卵巣機能低下症 、 下垂体炎 、 下垂体前葉機能低下症 、 無月経・乳汁分泌症候群 、 高プロラクチン血症 、 甲状腺機能低下症 、 クッシング症候群 、 摂食障害 |
| 周期が短い | 頻発月経 、 黄体機能不全 、 卵胞期短縮症 、思春期や更年期の生理的なもの |
| 月経血量が多い | 過多月経 、 子宮筋腫 、 子宮内膜炎 、 子宮内膜増殖症 、子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症、 甲状腺機能低下症 、 クッシング症候群 、 特発性血小板減少性紫斑病 、性ホルモンの分泌過剰 |
| 月経血量が少ない | 過少月経 、 黄体機能不全 、 高プロラクチン血症 、 甲状腺機能低下症 、 クッシング症候群 、 子宮発育不全症 、ホルモンの分泌不全、精神的ストレス |
- [ご利用上の注意]
- 一般的な医学知識の情報を提供するもので、皆様の症状に関する個別の診断を行うものではありません。気になる症状のある方は、医療機関にご相談ください。
月経の異常
月経とは、子宮内膜からの周期的出血で、月経の第1日から次の月経が始まる前日までの日数を月経周期といいます。月経周期は25~38日の周期で、かつ1周期ごとの変動が6日以内が正常周期とされています。月経持続日数は3~7日間が正常とされています。これらの範囲以外の時に月経異常といいます。
周期の異常
・原発性無月経……18歳になっても月経が始まらない状態。
・続発性無月経……周期的にあった月経が3カ月以上とまっている状態。妊娠や出産後の授乳期の無月経は除きます。
・稀発(きはつ)月経……周期が39日以上。
・頻発(ひんぱつ)月経……周期が24日以内。
血量の異常
・過多月経……血量が異常に多い状態。
・過少月経……血量が異常に少ない状態。
持続日数の異常
・過長月経……月経が8日以上。
・過短月経……月経が2日以内。
初経の異常
・早発月経……10歳未満で初経が起こる。
・遅発月経……15歳以上で初経が起こる。
月経困難症・月経前緊張症
月経困難症とは、いわゆる生理痛のことです。月経に伴う下腹部痛や腰痛、頭痛、下痢、発熱、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。若い女性ではかなりの頻度で起こりますが、年齢とともに、また出産回数とともに減っていきます。たいていは自然に治まり、問題はありませんが、なかには子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの可能性もあるので、一度受診してください。
一方、月経前緊張症(月経前症候群)とは、月経前の3日~10日くらいの間に認められる身体的・精神的症状のことです。主な症状には、むくみ・腹部膨満感・乳房緊満感などの水分貯留症状、頭痛・腹痛・腰痛などの疼痛症状、食欲不振・めまい・倦怠感などの自律神経症状、情緒不安定・抑うつ・不安・睡眠障害などの精神症状があります。これらは月経が始まると治まり、普通は日常生活に支障のない程度のものですが、時には強度に現れることがあります。日常生活に支障があるようなら、やはり一度受診しましょう。



