病気事典[家庭の医学]
ちつちゅうかく
腟中隔
腟中隔について解説します。
執筆者:
東京大学医学部附属病院女性診療科・産科副科長
百枝幹雄
原因は何か
胎児発生において、子宮と腟の上部はミュラー管と呼ばれる左右2対の原器が中央で癒合して形成されますが、その癒合に障害を来すと、ミュラー管の末端部の細胞とそれに接する部分の尿生殖洞の細胞が増殖して形成する腟板(ちつばん)の発生と、その空洞化に異常を来し、中央に隔壁が残ると考えられています。したがって、腟中隔では子宮奇形を伴うことも多くなります。
症状の現れ方・治療の方法
大部分は無症状で、性交渉によっても腟中隔の存在には気づかれず、内診時や分娩時に初めて発見されることが多くなります。ただし、重複腟で片方の腟が盲端(もうたん)(閉じている)となっていると、月経血がたまって留血腫(りゅうけつしゅ)を形成します。
治療としては、分娩や性交渉の障害となっていれば中隔の切除を行います。
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情報提供元 :
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