症状チェック
しきゅうけいがん
子宮頸がん
子宮頸がんとは
子宮の出口のくびれた部分(頸部)にできるがんを子宮頸がんといいます。女性特有のがんのなかでもっとも多く、増加傾向にあります。初期には症状がほとんどなく、進行すると不正出血がみられます。早期発見は定期検診や子宮筋腫の診察などで発見されることがほとんどです。定期検診を受け、早期に治療をおこなえば、ほとんどが治ります。2004年4月から20歳以上を対象に2年に1回の無料検診がおこなわれるようになりました。10代のHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染増加で、20代の子宮頸がんが増加しているためです。
性交時の出血や閉経後の出血があったら、必ず医師の診察を受けてください。
チェックシート
質問に対する回答を選んで、「選択完了」ボタンをクリックしてください。
- [ご利用上の注意]
- 「症状チェック」 は、特徴的な症状に対する一般的な傾向として医学知識の情報を提供するものであり、皆様の症状に関する個別の診断を行うものではありません。気になる症状のある方は、医師にご相談のうえ、専門的な診断を受けるようにして下さい。
子宮頸がんの原因
HPVの感染によってがんが引き起こされることがほとんどです。このウイルスは性行為によって感染するため、配偶者や本人が不特定多数との性交渉があったりすると、感染のリスクが高まります。
HPVに感染してもほとんどの人は免疫力で1~2年の間に自然治癒しますが、約1割が持続(長期)感染に移行します。持続感染によって子宮頸部の一部の細胞に前がん病変(異形成)が生じることがあります。異形成の状態が長期間続くとごく一部の人ですが子宮頸がんが生じます。
子宮頸がんの予防ワクチン(HPVワクチン)
子宮頸がん予防ワクチンは世界保健機関(WHO)が接種を推奨し、多くの先進国では公的接種とされています。子宮頸がんの約半分は、ワクチン接種によって予防できることが期待されています。ただし、ワクチンの接種は、その有効性と接種による副作用(副反応)が起こるリスクを十分に理解したうえで受けるようにしてください。
異形成・子宮頸がんの治療
進行した高度異形成の細胞が見つかった場合は、子宮の頸部を丸く切除する手術(円錐切除)やレーザーといった簡単な手術ですみます。中等度以下の場合は治療か経過観察となります。
がんに進行した場合、早期のうちは、円錐切除やレーザーといった手術が可能です。進行した場合には、がんの広がりに応じて、子宮摘出や周囲の組織を取る手術が一般的です。その他、抗がん薬や放射線治療もおこなわれます。それぞれの症状や進行度に応じて、もっとも適切な治療をおこないます。
検査
頸部の細胞を綿棒でとって、細胞診とHPV検査をおこないます。これによって、異形成やがん細胞の有無を病理診断します。高度異形成やがん細胞の疑いがある場合には内視鏡を腟(ちつ)に入れて、組織を取って調べます(生検)。診断がついたら、がんの広がりを調べるために、内診、直腸診、超音波検査(エコー)、CT検査、MRI(磁気共鳴画像法)、尿路撮影などを必要に応じておこないます。
関連する症状チェック
監修者

赤坂山王クリニック院長
レコール デュ ヴァン校長
梅田 悦生(うめだ よしお)
1942年生まれ、兵庫県出身。
大阪市立大学医学部卒業後、仏ストラスブール大学医学部附属病院レジデント、大阪市立大学医学部附属病院、国立国際医療センター、関東中央病院部長等を経て現職。医学博士、日本抗加齢医学会専門医。元日本ペンクラブ会員。
症状から病気を調べる
主な症状と、付随する症状から、疑われる病気を調べることができます。
編集制作 : (C)株式会社 時事通信出版局
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。