病気事典[家庭の医学]
かんせんせいがいいんひふえん(ひとくいせい)(がいいんもうのうえんなど)
感染性外陰皮膚炎(非特異性)(外陰毛嚢炎など)
感染性外陰皮膚炎(非特異性)(外陰毛嚢炎など)について解説します。
執筆者:
東京大学医学部附属病院女性診療科・産科助教
織田克利
どんな病気か
さまざまな細菌感染(ブドウ球菌、連鎖球菌(れんさきゅうきん)、大腸菌、肺炎球菌など)によって生じる外陰部の炎症をいいます。毛孔(もうこう)(毛穴)に侵入してできる外陰毛嚢炎や、そこからさらに進んで、せつ(せつ)(フルンケル)、癰(よう)(カルブンケル)といった病態が現れます。
毛嚢炎は、外陰部の毛穴から毛根周辺を中心に炎症を起こし、毛穴を中心に赤く小さくはれ上がり(径2~3㎜程度)、尖端部にうみがみられることもあります。
せつは、毛嚢炎が数個癒合(ゆごう)して大きくなった状態で、毛嚢炎より発赤・痛みが強くなります。癰は、2つ以上の毛穴に同時に菌が侵入したものをいいます。これらは“おでき”として自覚され、外陰部以外にもできることがあります。
症状の現れ方
毛嚢炎では、大陰唇や恥骨(ちこつ)付近など、外陰部の毛根部に多数の小膿疱(しょうのうほう)を形成します。毛嚢炎・せつ・癰のいずれも、局所に発赤、腫脹(しゅちょう)、熱感、痛みが生じます。
治療の方法
抗生剤が主体になります。内服薬のほか、局所には抗生剤含有軟膏(ゲンタシン軟膏など)を用います。
膿瘍(のうよう)を形成した時には切開し、うみを出してやります。軽い毛嚢炎であれば、自然に破れてうみが出ていき、そのまま治ることもあります。清潔を保つ必要があります。
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