病気事典[家庭の医学]

りんきんによるけつまくえん

淋菌による結膜炎

淋菌による結膜炎について解説します。

執筆者:

淋菌による結膜炎の解説(コラム)

 淋菌による結膜炎(淋菌性結膜炎)は、性行為感染症(STD)のひとつです。感染した人との性行為や、感染した女性が出産する時に胎児に感染(産道感染)します。結膜炎発症までの潜伏期間は1〜3日ですが、早期破水のある時は、より早い時期に発症します。高齢者ほど重症になりやすいといわれています。

 大部分が両眼性です。化膿度が非常に強く、大量の膿性クリーム状眼脂(がんし)(めやに)が特徴で、うみが閉じた目からあふれ出てくることが多いようです。極度の結膜充血や結膜浮腫(むくみ)も現れます。時に、角膜穿孔(かくまくせんこう)(穴があく)を起こす角膜潰瘍を合併することがあり、最も重い結膜炎のひとつです。

 なお、髄膜炎菌(ずいまくえんきん)による結膜炎も淋菌によるものと似ていますが、これは菌が髄膜など全身に広がるのが特徴です。

 検査は、眼脂の培養を行い、病原菌の検索と薬剤の感受性試験を行うことが基本ですが、病状から類推することが可能です。

 治療は、ペニシリン系抗生物質が第一選択薬です。近年、ペニシリン耐性(薬が効かない)の淋菌が増加しているので、注意が必要です。

 病気に気づいたら、必ず眼科専門医を受診してください。

      情報提供元 : (C)株式会社 法研 執筆者一覧
      掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。