病気事典[家庭の医学]
きゅうせいこうとうえん
急性喉頭炎<感染症>
急性喉頭炎<感染症>について解説します。
執筆者:
東京女子医科大学東医療センター耳鼻咽喉科准教授
余田敬子
どんな感染症か
感冒(かんぼう)(かぜ症候群)にかかった時に、声を出す喉頭部分がとくに強い炎症を起こした状態をいいます。
ウイルスに感染して起こる場合が多く、さらにインフルエンザ菌、肺炎球菌(はいえんきゅうきん)、溶血連鎖球菌(ようけつれんさきゅうきん)、ブドウ球菌などの細菌との混合感染を起こすこともあります。刺激性のガスや煙、ちりやほこりの吸入、たばこの吸いすぎ、気候の急変、鼻かぜやのどの炎症が誘因となり、冬に多くみられます。猩紅熱(しょうこうねつ)、麻疹(ましん)、百日咳(ひゃくにちぜき)などの感染症に合併することもあります。
症状の現れ方
鼻水やのどの痛みなどのかぜ症状に引き続いて、または前触れなく突然、声がれ、発作性の咳、痰が出るようになり、時に軽度の発熱や嚥下痛(えんげつう)(食べ物を飲み込む時の痛み)を伴うこともあります。選挙運動やスポーツの応援など過激な声の酷使から発症することもあります。
治療の方法
声がれがひどい場合、数日間声をいっさい出さない沈黙療法が必要になります。薬物治療が主で、抗菌薬や消炎薬を内服します。また、吸入器またはネブライザーから喉頭へ局所的に抗菌薬、ステロイド薬、血管収縮薬(腫脹を軽減)の噴霧(ふんむ)投与を行います。
病気に気づいたらどうする
声の安静(発声しないこと)と、のどが乾燥しないように加湿することが大切です。たばこはいっさい避け、水分補給と室内の湿度の維持、十分な睡眠と栄養補給、疲労回復に努めます。早めに耳鼻咽喉科医の診察を受けてください。
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情報提供元 :
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