病気事典[家庭の医学]
2008ねんのかんせんしょうほうのかいせい
2008年の感染症法の改正
2008年の感染症法の改正について解説します。
執筆者:
富山県衛生研究所所長
倉田 毅
解説(概論)
鳥インフルエンザの拡大などを踏まえ、2008年には新型インフルエンザの発生に迅速に対応するための法整備として、感染症法が一部改正されました。鳥インフルエンザを亜型で区別し、H5N1を入院措置が可能な2類感染症に追加して、それ以外を4類としました。また、新たに「新型インフルエンザ等感染症」という分類を設けました(新型インフルエンザと再興型インフルエンザが対象)。
そして、2009年4月末に突如登場したのが豚由来H1N1インフルエンザウイルスによる感染で、メキシコ、米国から世界に拡大、90カ国以上で12月末で数千万人以上の患者さんが発生しました。日本では、夏場から秋にかけて著しく感染拡大して、約1千万人ほどの患者さんが発生しました。
今後、冬場の季節性インフルエンザウイルスの流行とあいまって、どのようなことが起こるかはまったくわかりませんが、2009年は、すぐれた抗インフルエンザ薬と肺炎防止のための抗生物質により、死亡者は極めて少なくてすみました。死亡者は気管支喘息等の肺疾患のある方、肥満者で心肺機能の悪い方などでした。
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