病気事典[家庭の医学]

2006ねんのかんせんしょうほうのかいせい

2006年の感染症法の改正

2006年の感染症法の改正について解説します。

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解説(概論)

2006年にはこの法律の改正が再び行われました。目的は2つあり、ひとつは、戦後の国民病といわれた結核を激減させる土台の役割をしてきた結核予防法を廃止して、感染症法に統合することです。

ほかの重要なひとつは、21世紀に入り発生したバイオテロへの対応のための国際協調として、世界に約束した“テロ未然防止のための病原体の安全管理と輸送”について法制化しました。

この間に、世界では大きな問題が発生しました。1997年香港に登場した鳥のH5N1型ウイルスによる高病原性鳥インフルエンザです。6年かけてベトナム、タイ、インドネシア、中国と徐々に拡大し、2010年3月末までに15カ国492名の患者中60%の患者さんが亡くなりました。この病気は肺の奥に病巣ができる肺炎です。これまでのところは、ごく限定されており世界的には広がっていません。この同じウイルスによる鶏の死亡は、欧州各国からアフリカ北部まで広がってきています。今後ヒトへの感染拡大が起きるかどうかが問題です。

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