病気事典[家庭の医学]
こうはつはくないしょう
後発白内障
後発白内障について解説します。
執筆者:
兵庫県立尼崎病院眼科部長 喜多美穂里
大津赤十字病院眼科副部長 松本美保
どんな病気か
白内障の手術後、数カ月あるいは1年以上たったころ、手術直後に比べて少しかすんで見えるようになってくることがあります。これは、白内障手術時に残した水晶体(すいしょうたい)の袋(水晶体嚢(のう))が薄く白色に混濁(こんだく)してきたためで、その混濁によって網膜に届く光がさえぎられて、再び白内障のような症状が起こることから後発白内障といわれます。
治療の方法
治療は、ヤグレーザーという光線で、その白濁した水晶体嚢の中心を破り、光のとおり道をつくります。眼科の外来で短い時間で処置ができます。多くの場合、一度レーザーを受けると、またよい視力にもどります。
処置後、一時的にもやもやしたにごりが見えることがあります。これは飛び散らせた水晶体嚢のかけらが眼内に浮遊しているのが見えているためで、次第に沈んでいき、気にならなくなります。また眼圧が一時的に上昇したり、まれに網膜剥離(もうまくはくり)を起こすことがあるので、レーザー治療後も眼科受診が必要です。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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