病気事典[家庭の医学]
がんぶたいじょうほうしん
眼部帯状疱疹
眼部帯状疱疹について解説します。
執筆者:
大阪市立総合医療センター眼科部長
森 秀夫
原因は何か
水痘(すいとう)・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスによる感染症です。
このウイルスは、初感染の時は水痘(みずぼうそう)として発熱や全身の発疹を起こし、2~3週間で治りますが、その後ウイルスは潜伏し、体の抵抗力(免疫能)が低下した時に再活性化します。
たとえば高齢者、糖尿病やがんの患者さん、ステロイド薬を長期使用している人、また免疫抑制薬を使用している人などの場合です。しかし、まったく健康に問題のない人に発症することもあります。
発疹は通常、1本の神経の分布に沿って起こり、顔面以外では胸・腹部がよく発症する部位です。
症状の現れ方
まず、左右いずれかの上まぶたから前額部にかけて痛みだし、次いで皮膚には紅斑(赤み)ができ、小水疱(しょうすいほう)(みずぶくれ)となります。上まぶたから前額部の浮腫も起こります。水疱にはやがてうみがたまり(膿疱化(のうほうか))、そのあとに痂皮(かひ)(かさぶた)となります。普通、2週間以内に治ります。
下まぶたが侵(おか)される場合もありますが、この場合、上まぶたは侵されません。なぜなら、帯状疱疹は通常、1本の神経の分布に沿って発症しますが、上まぶたと下まぶたではとおっている神経が異なるためです。ちなみに、上まぶたは三叉神経第1枝、下まぶたは三叉神経第2枝が分布しています(図3、図4)。
発疹が治ったあと、つらい神経痛が残ることがあります。症状が重ければ、ペインクリニックで専門的治療が必要になります。
病気に気づいたらどうする
痛みを伴う発疹が出たら、皮膚科または眼科を受診します。皮膚は清潔にし、水疱はつぶさないことが肝心です。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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