病気事典[家庭の医学]

2003ねんのかんせんしょうほうのかいせい

2003年の感染症法の改正

2003年の感染症法の改正について解説します。

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解説(概論)

日本における感染症法(以下、このように略す)は、前述のとおり2003年11月に再度改正されました。

その理由は、アジアを中心とした海外でのSARS(重症急性呼吸器症候群)の大発生(患者数8000名、死亡者数700余名)を踏まえ、より迅速かつ的確に対策を講ずるために、(1)感染動向調査、(2)蔓延(まんえん)防止のための対策、(3)水際(みずぎわ)対策の充実と強化を骨格とし、国民の生命と健康を守るため危機管理機能力の向上を目指すことにありました。

さらにそのなかで、近年世界的に大きな問題を投げかけている動物由来感染症の対応にも重点が置かれました。

そのため、ヒトへの検疫強化に加え、激増し続ける輸入動物の検疫も強化されることになりました。国内に常在しない感染症の侵入防止、輸入検疫と動物の輸入届け出制を義務づけ、国内での感染対策を連携させて感染症の発生予防、蔓延防止に努め、患者発生の際には優良な医療を提供することに決めたのです。

感染症法が対象とする疾患については、定義と類型を用い、新感染症、1、2、3、4、5類感染症と指定感染症に分類し、対応をとりやすくしました。

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