病気事典[家庭の医学]
てんかんのげかてきちりょう
てんかんの外科的治療
てんかんの外科的治療について解説します。
執筆者:
浅ノ川総合病院脳神経センター顧問
廣瀨源二郎
てんかんの外科的治療の解説(コラム)
部分てんかんのなかでも側頭葉(そくとうよう)てんかんによる複雑部分発作は、薬物治療に対し抵抗性を示すことがよくあります。とくに側頭葉の内側にてんかん起源となる病巣のある場合、発作の始まりに胸やけのような不快感や吐き気を催し、一点を見つめて意識が遠のく発作が起こります。そして治療に抵抗性を示すため2〜3剤の抗てんかん薬を必要とすることが多いです。このような難治例は、てんかん専門医が工夫を凝らしていろいろな薬の組み合わせを考えて治療し、約5年経過をフォローしても、1週間に1回以上の発作が起こる場合を難治性てんかんと呼んでいます。
難治性てんかんを詳しく検査して、てんかん発作の起源が側頭葉内側に限定される場合には、外科的に片側の側頭葉を切除すると発作が6〜7割の患者さんで完全に消失することが、多くの症例を集めて行われた外国の研究で明らかになりました。日本でもこの外科的治療がてんかん専門病院で行われ、外国と同様の好成績を得ています。難治性てんかんの患者さんは、一度外科的治療の可能性も主治医と相談するとよいでしょう。
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情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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