病気事典[家庭の医学]

ちゅうどくによるしょうのういしゅくしょう

中毒による小脳萎縮症

中毒による小脳萎縮症について解説します。

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アルコール性小脳萎縮症(せいしょうのういしゅくしょう)

長期にわたり多量のアルコールを摂取することで、小脳に萎縮を来すことがあり、これをアルコール性小脳萎縮症といいます。

頭部MRIでは、小脳虫部(ちゅうぶ)上部に限って萎縮が認められます。脊髄小脳変性症などの他の小脳萎縮を来す疾患とは異なり、歩行時のふらつき(体幹失調)が目立ち、手足の揺れやぎこちなさ(四肢の運動失調)は目立ちません。

禁酒をすることで、ふらつきの悪化がなくなることが多いことも特徴です。

薬剤性小脳変性症(やくざいせいしょうのうへんせいしょう)

抗てんかん薬であるフェニトインによる小脳失調が多く認められます。血中のフェニトインが中毒域にあると、眼振(がんしん)や小脳失調を来し、歩行時のふらつき、ろれつの回りにくさなどの症状が出現します。血中濃度を測定し、中毒域に達しないように内服コントロールをすることで、一般にこのような症状はなくなります。

その他、有機水銀・リチウム・ベンゼンやトルエンなどの有機溶媒(ようばい)でも小脳失調を来します。

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