病気事典[家庭の医学]
きゅうせいへんとうえん
急性扁桃炎<子どもの病気>
急性扁桃炎<子どもの病気>について解説します。
執筆者:
新潟厚生連新潟医療センター小児科医長
坂井貴胤
どんな病気か
扁桃炎は扁桃の炎症であり、ウイルスや細菌の感染により起こります。口蓋扁桃(こうがいへんとう)は発赤・腫大し、時に白い滲出物(しんしゅつぶつ)が付着することもあります。
原因は何か
原因の大部分はウイルスによるもので、アデノウイルスやEBウイルスなどがあります。細菌によるものは急性扁桃炎の20%ほどといわれ、なかでもA群β溶連菌(ベータようれんきん)によるものは5~9歳の子どもに好発し、リウマチ熱や溶連菌感染症後急性糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)と関連があるといわれており、臨床上重要です。
症状の現れ方
発熱、頭痛、悪寒(おかん)、全身倦怠感(けんたいかん)、咽頭痛を伴って急性に発症します。初期には、腹痛、嘔吐を伴うこともあります。時に扁桃に白い滲出物を認める場合があります。また、頸部(けいぶ)のリンパ節が痛みを伴って腫大することもあります。
検査と診断
臨床症状と咽頭・扁桃所見から診断されます。溶連菌感染症は迅速診断キットあるいは咽頭・扁桃の細菌培養検査を行い診断されます。アデノウイルス感染も迅速診断キットが市販されていて、使用されることがあります。EBウイルス感染による扁桃炎では伝染性単核球症(でんせんせいたんかくきゅうしょう)の形をとるものがあり、血液検査をすすめます。
治療の方法
急性扁桃炎の多くはウイルス性であり、抗菌薬の内服は必要なく、症状に対する治療が主となります。迅速診断キットや細菌検査で溶連菌感染症と診断された場合には、セフェム系抗菌薬では5日間、ペニシリン系抗菌薬では10日間の内服が必要になります。
子どもの病気を読んだ人によく読まれている記事
子どもの病気でよく読まれている病気解説
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
|
執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。