病気事典[家庭の医学]
のどがおかしい
執筆者: 昭和大学横浜市北部病院院長 田口 進
のどに起こる異常
のどに起こる症状は、痛み、嚥下(えんげ)障害(食べ物がのみ込みにくい)、声がかれるなどです。嚥下障害は、脳血管や神経、筋肉、食道などの病気の重要なサインでもあります。
のどに起こる異常から考えられる主な病気
主な症状と、付随する症状から、疑われる病気を調べることができます。
病気名を選択すると、その病気の解説へ遷移します。
症状 | 疑われる病気名 | ||
---|---|---|---|
のどの痛み、嚥下痛 | 発熱 | 急性咽頭炎 、 咽後膿瘍 、 急性扁桃炎 、 習慣性扁桃炎 、 扁桃周囲膿瘍 | |
呼吸困難、喘鳴、窒息 | 急性喉頭蓋炎 | ||
頸部リンパ節のはれ | 難聴 | 扁桃悪性リンパ腫 | |
声がれ | 中・下咽頭がん | ||
嚥下障害 | 胸焼け、のどの違和感、胸痛、吐き気 | 逆流性食道炎 、 食道裂孔ヘルニア | |
胸骨部の痛み、嘔吐 | 食道モリニア症 | ||
体重減少、胸痛・背部痛、声がれ | 食道がん | ||
いびき | 扁桃肥大 | ||
意識障害、片麻痺、感覚・言語障害、複視 | 脳梗塞 | ||
四肢の筋力低下、複視、不整脈 | ギラン・バレー症候群 | ||
視力低下、しびれ感、感覚低下、手足の脱力 | 多発性硬化症 | ||
声がれ | 咳、のどの異物感 | 急性喉頭炎 、 慢性喉頭炎 | |
嚥下困難、血痰 | 喉頭がん | ||
喘鳴 | 声が出なくなる、呼吸困難 | 喉頭乳頭腫 | |
発熱、犬の吠え声のような咳 | 急性声門下喉頭炎 | ||
のどの違和感、発声時の違和感 | 声帯ポリープ 、 声帯結節 | ||
声が鼻にもれる、肩が痛い、嚥下困難 | 反回神経麻痺 |
- [ご利用上の注意]
- 一般的な医学知識の情報を提供するもので、皆様の症状に関する個別の診断を行うものではありません。気になる症状のある方は、医療機関にご相談ください。
のどに起こる異常
のどに感じる痛みの多くは、咽頭(いんとう)や扁桃(へんとう)に細菌やウイルスが感染して炎症を起こしている時現れます。急性咽頭炎や急性扁桃炎などの主要な症状のひとつで、かぜの場合ものどに炎症を起こしやすく、時に痛みを感じることがあります。
嚥下障害に注意
嚥下とは、食べ物をのみ込むこと。この嚥下に障害があると、食べ物がのみ込みにくくなる(嚥下困難)、のみ込む時にむせる(誤嚥(ごえん))などの症状が出ます。
嚥下障害を起こす病気はいろいろありますが、なかでも脳梗塞などの脳血管障害、ギラン・バレー症候群、多発性硬化症などの神経・筋肉の病気、食道がんなどの食道の病気でよく現れます。
声がれに注意
声がそれまでと違って、かれたり、しゃがれたりすることを嗄声(させい)といいます。生まれつきかれている人はまずいないので、嗄声になってきたら何らかの病気が疑われます。多くはのど(声帯)の病気で起こり、喉頭がんでは嗄声が早期発見の重要な手がかりです。嗄声に気づいたら、まず耳鼻咽喉科を訪れてください。
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