病気事典[家庭の医学]

ほっしんができたところがいたむ

発疹ができたところが痛む

発疹ができたところが痛むについて解説します。

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どのような状態か

皮膚の痛みは、かゆみと同様、皮膚に存在する末梢神経終末が何らかの刺激を感受して、大脳皮質に伝えることによって認識されています。発疹部に痛みがある場合には、たとえばウイルスの活性化、物理的圧迫、温熱・寒冷、炎症、循環障害、皮膚のびらん(皮膚表面の欠損)や潰瘍化、腫瘍、物質の沈着などが原因として考えられます。

高齢者によくみられる痛みをもたらす発疹の原因と病気は、次のとおりです。

(1)ウイルスの活性化

帯状疱疹(たいじょうほうしん)(片側性の神経痛を伴う)、単純性疱疹(たんじゅんせいほうしん)(重症だと痛い)

(2)物理的圧迫

鶏眼(けいがん)(うおのめ)、嵌入爪(かんにゅうそう)(巻き爪)

(3)温熱・寒冷

熱傷(ねっしょう)(やけど)、低温熱傷(あんかなどによる)、凍瘡(しもやけ)

(4)炎症

丹毒(たんどく)や蜂窩織炎(ほうかしきえん)(皮膚の細菌感染)、せつ(せつ)(化膿性毛包炎(かのうせいもうほうえん))、炎症性粉瘤(えんしょうせいふんりゅう)(細菌感染合併により発赤)

(5)循環障害

肢端紫藍症(したんしらんしょう)(うっ血性変化)、糖尿病性壊疽(とうにょうびょうせいえそ)(足趾(そくし))、閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)、血栓症後(けっせんしょうご)症候群(下腿)

(6)皮膚のびらんや潰瘍化

外傷、褥瘡(じょくそう)(床ずれ)、水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいてんぽうそう)、接触皮膚炎(灯油など)

(7)腫瘍

グロームス腫瘍(爪下)、血管脂肪腫(けっかんしぼうしゅ)など

(8)物質の沈着

痛風(つうふう)(足趾関節背面)

各種検査(血液、画像、培養、皮膚生検など)は発疹の視診に基づいて、診断確定に必要な場合に実施されます。

家庭での対処のしかた

いずれの場合も、痛くなったらすぐに病院を受診することが大切です。

受診までの応急処置として、市販の痛み止め成分配合軟膏(痛みが強い場合)、抗生物質含有軟膏(発赤(ほっせき)、はれ、水疱(すいほう)、びらん、潰瘍がある場合)、亜鉛華(あえんか)軟膏(基本的にはどんな発疹でも可)などを発疹部に塗って、ガーゼで柔らかく保護するのもよいでしょう。

熱傷では、患部を流水か氷嚢で30分以上、十分に冷やす必要があります。

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