病気事典[家庭の医学]
けいがん(うおのめ)
鶏眼(うおのめ)
鶏眼(うおのめ)について解説します。
執筆者:
香川大学医学部皮膚科准教授
米田耕造
原因は何か
機械的刺激が繰り返し加わることによって生じます。足型に合わない靴をはいたり、軟らかい底の靴で砂利道のように硬い凹凸のある所を歩くことなどが原因になります。
末梢性(まっしょうせい)あるいは中枢性(ちゅうすうせい)の神経の病気から生じる歩行困難によって、足底のつまさきの一部が常に歩行時に圧迫を受けることなども原因になります。
症状の現れ方
歩行開始後なら、どの年齢でも発生します。好発部位は足底の外周に近い部分、第4~5趾間、趾端趾背(したんしはい)です。角化部に垂直に加わる圧力によって、激痛が生じる限局性の淡黄色・半透明な角質増殖病変が現れてきます。
検査と診断
角化部の表面を削って中央部に半透明な角質柱を認め、かつその周辺に角質肥厚(かくしつひこう)が存在すれば容易に診断が可能です。
病理組織所見では、肥厚した角質柱がクサビ状に下方に入り込んでいます。表皮は圧迫され有棘層(ゆうきょくそう)は萎縮し、真皮乳頭(にゅうとう)は扁平化します。
治療の方法
病巣の中心が円錐状に角質増殖したのが痛みの原因なので、病巣の表面を1㎜程度削り、中心の角質柱を円錐形に摘除します。この中心の角質柱を核出することも可能です。次いで、液体窒素(ちっそ)を綿棒に浸して切除跡に押しつけて冷凍凝固処置を行います。
2週間おきに以上の処置を繰り返します。同時に、足型に一致した適度な硬さの底の靴を、皮膚との摩擦(まさつ)が少ない靴下とともにはくようにします。歩行時に足底面に平均に体重がかかるような靴を選びます。ハイヒールのようなかかとの高い靴はよくありません。
病気に気づいたらどうする
皮膚科専門医を受診して、病気の状態に合った適切な治療(感染を合併している場合は抗生剤投与が必要になる)と病気についてのアドバイスを受けます。
潰瘍などができている場合は、皮膚がん(基底細胞がん、有棘(ゆうきょく)細胞がん)のことがあり、皮膚病理組織検査が必要になります。
関連項目
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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