病気事典[家庭の医学]
しゅっけつせいぼうこうえん
出血性膀胱炎
出血性膀胱炎について解説します。
執筆者:
関西医科大学小児科学講座教授
金子一成
どんな病気か
肉眼的血尿(肉眼でもわかる血液の混じったおしっこ)を伴って、おしっこの回数が多い(頻尿(ひんにょう))、おしっこをした時に痛がる(排尿痛)、残尿感があるといった膀胱刺激症状のある膀胱炎の総称です。
原因は何か
ウイルス、細菌、食べ物や薬のアレルギー、抗がん薬の投与などが原因になります。健康な子どもがかかるのは圧倒的にウイルスによるものが多いので、一般に出血性膀胱炎といえばウイルス性のものを指します。多くのウイルスのなかでもアデノウイルスによるものが最多です。
症状の現れ方
症状は肉眼的血尿、排尿痛、頻尿や残尿感です。発熱することもありますが、高熱ではなく微熱の場合がほとんどです。痛みはおしっこの最中から終わりにかけて強く感じます。おしっこをして、もじもじしているようなら、膀胱炎を疑ったほうがよいでしょう。
検査と診断
尿検査を行って尿を赤くしているものが血液かどうかを調べたり、膀胱炎の時にみられる細胞が現れているかどうかを確認します。またウイルスの原因を知るために、尿のウイルス検査をすることもあります。
治療の方法
自然に治ることがほとんどで、肉眼的血尿は数日で消え、尿検査でも血尿は10日間くらいでなくなります。排尿痛、頻尿や残尿感も1週間以内になくなります。アデノウイルスに効く薬剤はないので、安静と十分な水分摂取を心がけて様子をみます。細菌性尿路感染症と区別がつくまでは抗生剤を内服することもあります。
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情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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