病気事典[家庭の医学]
しょうにのひすてりー
小児のヒステリー
小児のヒステリーについて解説します。
執筆者:
東海大学医学部精神科学教授
松本英夫
小児のヒステリーの解説(コラム)
ヒステリーは、何らかの葛藤やストレスが形を変えて現れるものです。本人は原因になっているストレスを意識できないことが特徴です。
症状としては、体に現れる症状(身体症状)と意識・記憶の障害とに分けることができます。小児の場合、身体症状では、声が出ない(失声(しっせい))、視力・視野障害などが多く、歩けなくなる(失立(しつりつ)・失歩(しつほ))こともあります。意識や記憶の障害では、ある期間の記憶がないこと(解離性健忘(かいりせいけんぼう))が多く、まれですが、けいれん様の発作を起こすこともあります。
ヒステリーの診断には、体に異常がないことを診察や検査などによって最初に確認することが必要です。失声や失立・失歩は見た目にも派手な症状ですが、それだけ一人では処理できない葛藤やストレスがあると考えて、焦らずに一緒に考え支援することが大切です。解離性健忘の場合には幼児期の虐待など、心が受けた傷が原因になっていることがあるために、慎重な対応が必要になります。
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