病気事典[家庭の医学]
まんせいじんふぜん
慢性腎不全
慢性腎不全について解説します。
執筆者:
順天堂大学医学部長 富野康日己
望星田無クリニック院長 福井光峰
原因は何か
すべての腎臓病が原因になります(表15)。透析を導入された患者さんの原因となった病気は、多い順に、糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)、慢性糸球体腎炎(まんせいしきゅうたいじんえん)、腎硬化症(じんこうかしょう)(高血圧による腎障害)、嚢胞腎(のうほうじん)などです。近年、高齢社会の到来とともに糖尿病性腎症、腎硬化症が増えています。
症状の現れ方は尿毒症の項目で詳細に解説しているので、参照してください。
治療の方法
まず、慢性腎不全の原因となった病気の治療を行います。その他の治療法は、(1)禁煙、減量などの生活習慣の改善、(2)減塩(6・0g/日未満)・蛋白質(たんぱくしつ)制限などの食事指導、(3)厳格な血圧(130/80㎜Hg以下)、血糖(Hb
これらの治療にもかかわらず、腎機能の低下がさらに進行すると、血液浄化療法を行います。
病気に気づいたらどうする
重要なことは、患者さん自身が「今、自分の腎不全はどこまで悪化しているのか」を理解することです。そのためには主治医とよく相談し、自分の病期に合った運動・食事療法を指導してもらい実践することです。
他の病院にかかる時には、腎不全患者であることをよく説明し、安易に薬の投与を受けないことが肝心です。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
|
執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。