病気事典[家庭の医学]
ちをはいた<しょうじょうべつ おうきゅうてあて>
血を吐いた<症状別 応急手当>
血を吐いた<症状別 応急手当>について解説します。
執筆者:
筑波メディカルセンター病院救急診療科医長
上野幸廣
応急手当
血を吐く場合には、吐血と喀血があります。吐血は食道や胃・十二指腸などからの出血で、真っ赤または暗赤色、コーヒーかすのような色の血を吐きます。喀血は気管支や肺からの出血で、咳込みながらまっ赤な血を吐きます。
- 【1】大量の出血なら、ただちに119番に通報する。(救急車の呼び方)
- 少量でも、あとで大出血する怖れがあるので、すぐに医師へ連絡し指示をあおぐ
- トイレなどで吐いた時は、流さないようにする。救急隊員に出血の量を見てもらうと、医師の治療の参考になる
- 【2】衣服をゆるめ、顔を横向きにして静かに寝かせる。
- 出血に動揺せず落ち着いて手当する
- 再び吐くことに備え、洗面器を用意しておく
- 【3】背中をさすりながら、たまっている血を吐き出させる。
- 喀血(かっけつ)の場合はなるべく咳をさせ、吐き出させると呼吸が楽になる
- 吐き終えたら、薄い塩水か水でうがいをさせる
- 吐いた血を飲み込まないように呼吸を整えさせる
- 再び血を吐かないように話をさせない
- 吐いた物は、すみやかに片づけ、本人に見せないようにする。吐いた物は取っておき、あとで医師に見せる
- 汗が出ない程度に毛布などで保温する
- のどが渇くなら、氷の小片をガーゼに包んで含ませる
- 医師の診断があるまで飲食は禁止、うがい程度にする
- 【4】意識がない、または非常に反応が鈍くなってきたら、心肺蘇生法を救急車が来るまで続ける。
※感染予防のため、血液には直接触れないこと。できればゴム手袋やビニール手袋を使用する。
症状一覧<症状別 応急手当>
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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