病気事典[家庭の医学]
のうしんとう
脳振盪
脳振盪について解説します。
執筆者:
慶應義塾大学医学部救急医学専任講師
並木 淳
症状の現れ方
健忘(けんぼう)(記憶が失われること)が起こるため、受傷時のことを思い出せません。
見当識(けんとうしき)の障害(日付や場所、周囲の人のことがわからない)や意識消失が一過性にみられることもありますが、ほとんどの場合は受傷直後に改善するため健忘だけが残り、その他の脳の機能異常は認められません。
頭痛や嘔吐などを伴うこともあります。
治療の方法
経過観察だけで正常に回復します。頭部CTで脳挫傷(のうざしょう)や血腫などの異常があれば、それに対する治療が行われます。頭痛や嘔吐があれば、症状に応じて安静、点滴あるいは薬物療法(対症療法として鎮痛薬や制吐薬など)が行われます。
失われていた記憶の一部はもどりますが、けがをした時のことは思い出せないのが普通です。ただし一般的には、その後に記憶障害が後遺症として残ることはありません。
- 外傷を小分類から探す
外傷の項目を読んだ人によく読まれている記事
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
|
執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。