病気事典[家庭の医学]
とくはつせいふしゅ
特発性浮腫
特発性浮腫について解説します。
執筆者:
東北大学大学院医学系研究科先端再生生命科学教授
菅原 明
症状の現れ方
浮腫の発症と月経の周期とは関係ありません。また、閉経後にも症状は続きます。浮腫は立った状態で誘発されることが多く、一般には夕方に顕著になり、下肢や手のほか、顔や腹部にも認められます。
朝夕の体重差が大きく、1・4㎏以上にもなります。疲労感や不安感といった精神症状を伴うことも多くみられます。
検査と診断
一般的な浮腫の原因が除外され、水やナトリウムを負荷した際に、臥位(がい)に比べて立位での排泄が減っている時、その可能性が考えられます。
エストロゲンの影響によってナトリウムや水がたまるために生じる月経前浮腫とは区別されます。習慣性の嘔吐(おうと)や、利尿薬や下剤を隠れて使っていないかどうか確認します。
治療の方法
1日の塩分摂取量を5g以下に制限します。特発性浮腫が重い疾患でないことを理解し、安心することも重要です。薬剤としては、スピロノラクトンやアンジオテンシン変換酵素阻害薬が有効であったという報告があります。
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情報提供元 :
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