病気事典[家庭の医学]
きゅうせいいえん
急性胃炎
急性胃炎について解説します。
執筆者:
北海道大学病院病院長
浅香正博
症状の現れ方
一般には、原因があってから短時間のうちに、食欲不振、吐き気、嘔吐、上腹部の痛みまたはもたれ感などの症状を生じてくるのが特徴です。
急性胃炎のうち、急激に強い上腹部痛や吐血、下血などの症状が現れ、内視鏡で胃のなかを観察すると、出血、びらん、潰瘍(かいよう)性変化を伴っているものを、急性胃粘膜病変(きゅうせいいねんまくびょうへん)(AGML)と呼んでいます。
検査と診断
上部消化管内視鏡検査が診断に最も有効です。内視鏡で胃内を観察すると、発赤、出血、びらんの所見がみられるので、診断は比較的容易です。
急性胃粘膜病変では、所見がより重症であり、浅い潰瘍や出血性変化がしばしばみられます。この場合、胃液の分泌が増加していることが多いので、胃粘膜へのバリウムの付着が悪くなり、よい写真をとることが難しくなります。
治療の方法
原因がはっきりしている場合、それを除くことが急性胃炎治療の基本です。出血が強い場合には、内視鏡で観察しながら止血を行います。アニサキス症の場合は、内視鏡鉗子(かんし)を用いてアニサキス虫体を胃粘膜から除去します。
胃酸をとめることにより、自覚症状や胃炎所見の改善が認められるため、重症の場合は、確実に酸分泌を抑制できる
病気に気づいたらどうする
軽症の場合は、注意深く様子をみることで十分と思われます。症状が強かったり、様子をみても改善がみられない場合は、内視鏡検査の可能な病院を受診してください。
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情報提供元 :
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