病気事典[家庭の医学]
やくざいせいなんちょう
薬剤性難聴
薬剤性難聴について解説します。
執筆者:
富山大学耳鼻咽喉科頭頸部外科学准教授
將積日出夫
どんな病気か
病気に対して治療に用いた薬剤の副作用により発生した難聴は、薬剤性難聴と呼ばれます。難聴を引き起こす薬剤は内耳毒性があるため、難聴以外の症状が出ることがあり、注意が必要です。
原因は何か
難聴を引き起こす代表的な薬剤には、抗生剤(ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシンなど)、利尿薬(フロセミド)、抗がん薬(シスプラチン)があげられます。いずれの薬剤でも内耳の感覚細胞の障害が発生します。なお、薬剤の種類により、主に蝸牛(かぎゅう)に障害が起こるもの(ジヒドロストレプトマイシン、カナマイシン)、主に前庭半規管(ぜんていはんきかん)に障害が起こるもの(硫酸ストレプトマイシン)とに分けられます。通常は両側の耳に同時に起こります。
症状の現れ方
蝸牛に障害が起これば、耳鳴り、難聴が発生します。薬剤により生じる聴力の低下は高音域から始まり、会話音域、低音域へと広がっていきます。そのため、難聴に先立って耳鳴りを感じることが普通です。難聴は進行すれば、両耳ともまったく聞こえなくなることがあります。
一方、前庭半規管に障害が起これば、めまい感、ふらつきが生じます。時に、吐き気、頭痛が現れることがあります。とくに、両側の前庭半規管が高度に損なわれた場合には、歩行時に景色がぶれるようになり、歩行障害や転倒の原因になります。
検査と診断
純音聴力検査、平衡機能検査により難聴の程度、平衡障害の程度を評価する必要があります。内耳毒性のある薬剤を使う前に検査を行い、投与中も定期的に検査を繰り返し、副作用が出るのを早期に発見する必要があります。
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