病気事典[家庭の医学]
からのすしょうこうぐん
空の巣症候群
空の巣症候群について解説します。
執筆者:
淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科教授
丸山 晋
空の巣症候群の解説(コラム)
エンプティネスト・シンドロームともいわれ、子育てを終えた中年〜初老期の女性(主婦)にみられる状態をいいます。一種の役割喪失に伴う、気のゆるみ、空虚感(くうきょかん)が主症状で、ひどい場合はうつ病とまぎらわしくなります。更年期障害と重なった場合には一層状態は深刻です。
精神科医にとっては特別難しい病態ではありませんが、何よりも早期発見が大切で、さらに予防にまさる治療はないといえます。
つまり、この時期はあらかじめ予測できるので、そうした事態に備えて、趣味を開拓したり、サポートを期待できる友人関係を築いたり、配偶者との新たな関係を構築したりするべきです。
本来は病気ではないので、この時期にふさわしい主体性の確立と、新たなる役割・人生の価値への目覚めが脱出のキーとなります。そのためにカルチャーセンターやボランティア活動などを積極的に活用するとよいでしょう。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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