病気事典[家庭の医学]

さいせいふりょうせいひんけつ

再生不良性貧血<子どもの病気>

再生不良性貧血<子どもの病気>について解説します。

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どんな病気か

血液を産生している骨髄(こつずい)のはたらきが低下することによって起こります。すべての血球の元になる幹細胞(かんさいぼう)がはたらかなくなるので、前述の汎血球(はんけっきゅう)減少症を起こします。

原因は何か

大きく分けて2つの場合が考えられます。ひとつは幹細胞自体が減少する場合、もうひとつは骨髄に幹細胞がうまくはたらけなくなるような(免疫的な)ブレーキがかかってしまう場合です。

幹細胞自体を減らすものとして、特殊な化学物質や大量の放射線が知られています。

症状の現れ方

汎血球減少症で述べたように、感染症の症状、貧血の諸症状、出血が起こります。

検査と診断

骨髄穿刺(こつずいせんし)(針を刺して採取する)によって血球の低形成が確かめられ、末梢血検査で汎血球減少があれば診断がつきます。表11に示す重症度分類によって3群に分けられます。

治療の方法

軽症では治療を必要としないことがほとんどです。しかし、診断時には軽症でも数年間に中等症、重症に悪化することもあるので、経過の観察は必須です。中等症から重症の場合は、治療を行わなければ致死的な経過をとります。

治療は図36のように行います。骨髄移植とは、患児の骨髄をいったん破壊し、そこに健常なドナーの骨髄幹細胞を移植し育ってもらおうというもので、免疫抑制療法というのは幹細胞をはたらけない状態にしているブレーキを免疫抑制薬を使ってはずそうというものです。

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