病気事典[家庭の医学]
はんけっきゅうげんしょうしょう
汎血球減少症
汎血球減少症について解説します。
執筆者:
聖路加国際病院副院長・小児科部長
細谷亮太
どんな病気か
人間の血液のなかには赤血球、血小板、それに白血球の3系統の血球が存在します。この3系統の血球のどれもが減少している状態を、汎血球減少症といいます。つまり、貧血で血小板減少症で白血球減少症もあるような病態です。
原因は何か
2つの原因が考えられます。ひとつは血液の工場ともいうべき骨髄(こつずい)の機能低下、もうひとつは末梢における血球破壊の亢進(こうしん)です。
前者はまた、2つの場合に分けることができます。一方はすべての血球の元になる造血幹細胞(ぞうけっかんさいぼう)の減少によるもの、他方は幼若な血球は作られるものの、質的異常のために成熟できずに骨髄内で壊れてしまうもの(無効造血(むこうぞうけつ)と呼ぶ)です。
では、後者の末梢における破壊とはどのようなものでしょう。血球が破壊される主な場所は脾臓(ひぞう)です。さまざまな原因で脾臓が腫大すると機能が亢進し、血球の寿命がまだ来ないうちに破壊されてしまうのです。汎血球減少症を起こす主な病気を表10に示します。
治療の方法
それぞれの原因となる病気を治療します。
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情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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