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内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

がんに使われる内服薬/分子標的治療薬

解説タイトル

FGFR融合遺伝子陽性がん治療薬

一般名 解説

フチバチニブ
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 4mg 1錠 10,252.50円

製薬会社 解説

大鵬

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

抗悪性腫瘍薬(FGFR阻害薬)

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

4mg 本体コード:FBN/4MG

その他 解説

保険収載年:2023/8

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん/[ペミガチニブのみの適応症]FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性またはリンパ性腫瘍

解説 解説

ペミガチニブおよびフチバチニブは,遺伝子異常を有する線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)という蛋白質の働きを阻害することにより,がんの増殖を抑制します。FGFRはヒトでは4種類(FGFR1,FGFR2,FGFR3,FGFR4)が同定されており,なかでも胆道がんの一つの胆管がんでは,FGFR経路の遺伝子異常としてFGFR2融合遺伝子が高頻度に認められ,この遺伝子が胆管がんの発生・増殖・生存に必須のドライバー遺伝子(がんの発生・進展に直接的に重要な役割を果たす遺伝子)と考えられています。本剤は,このFGFR2融合遺伝子をターゲットとしたFGFR阻害薬です。
さらにペミガチニブは,非常に稀な疾患の「FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性またはリンパ性腫瘍」にも効果のあることがわかり,2023年3月に効能追加されました。

使用上の注意

警告 解説

本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識・経験をもつ医師のもと,本剤の使用が適切と判断される人にのみ使用されるべき薬剤です。また,治療開始に先立ち,患者または家族は医師からその有効性,危険性について十分な説明を受け,納得・同意したのち使用を開始しなければなりません。

基本的注意 解説

*両剤の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に服用すべき場合……中等度以上の肝機能障害(Child-Pugh分類BまたはC)/[ペミガチニブのみ]重度の腎機能障害(eGFRが30mL/分/1.73m2未満)
(3)網膜剥離……本剤を服用すると網膜剥離が現れることがあるので,服用中は定期的に眼科検査を行うなど観察を十分に行います。また,眼の異常が認められた場合には速やかに医療機関を受診してください。
(4)避妊……妊娠可能な女性は,本剤服用中および服用終了後一定期間は適切な避妊を行ってください。また,パートナーが妊娠しているまたは妊娠する可能性のある男性は,本剤服用中および服用終了後一定期間はバリア法(コンドーム)を用いて避妊をしてください。精液を介して胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ服用。
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)網膜色素上皮剥離・網膜剥離(飛蚊症,視野欠損,光視症,視力低下など)。(2)高リン血症。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

[ペミガチニブ]
(1)おこることがある副作用……ドライアイ,睫毛乱生(しょうもうらんせい),角膜障害,結膜炎,霧視,眼痛,羞明(しゅうめい)(まぶしい)/下痢,口内炎,口内乾燥,悪心,便秘,腹痛,嘔吐,腹部膨満,消化不良,胃食道逆流性疾患,嚥下障害/疲労,体重減少,末梢性浮腫/爪真菌症,尿路感染/食欲減退,脱水/関節痛,四肢痛,筋肉痛,背部痛,筋痙縮(けいしゅく),筋骨格痛,筋力低下/味覚障害,浮動性めまい,末梢性ニューロパチー,頭痛,錯感覚,記憶障害/急性腎障害,排尿困難/鼻出血,鼻乾燥,口腔咽頭痛,呼吸困難,鼻閉/脱毛症,爪の障害,手掌・足底発赤知覚不全症候群,皮膚乾燥,発疹,爪囲炎,紅斑,ざ瘡(にきび)様皮膚炎,かゆみ,毛髪成長異常,陥入爪,皮膚潰瘍
(2)検査などでわかる副作用……貧血,血小板減少,白血球減少,好中球減少,血中クレアチニン増加/AL-P・ALT・AST増加,高ビリルビン血症,トランスアミナーゼ上昇/低リン血症,高カルシウム血症,ビタミンD減少,低ナトリウム血症/血中副甲状腺ホルモン減少

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると本剤の有効性が弱まるおそれがある薬剤……強いまたは中程度のCYP3A誘導薬(リファンピシン(リファンピシン),フェニトイン(フェニトイン),カルバマゼピン(カルバマゼピン),エファビレンツ(エイズ治療薬(1))など)
(2)併用すると本剤の副作用が強まるおそれがある薬剤……強いまたは中程度のCYP3A阻害薬(クラリスロマイシン(マクロライド),イトラコナゾール(深在性真菌治療薬),ベラパミル塩酸塩(カルシウム拮抗薬),フルコナゾール(深在性真菌治療薬)など)
[フチバチニブのみ]
(3)本剤との併用で副作用が強まるおそれがある薬剤……P-gpの基質となる薬剤(ジゴキシン(ジギタリス製剤),ダビガトランエテキシラート(ダビガトラン),フェキソフェナジン塩酸塩(フェキソフェナジン塩酸塩ほか)など),BCRPの基質となる薬剤(ロスバスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬),アトルバスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬),メトトレキサート(メトトレキサート)など)

海外評価 解説

  • 2点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

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データ更新日:2024/04/26