お薬検索[薬事典]
「薬の知識」共通事項のみかた
「薬の知識」の解説には、各薬剤に共通する注意事項があります。以下のように記してあったら、ここで確認してください。
妊婦での安全性
原則として服用(使用)しない。
妊婦自身や胎児、新生児に何らかの害(たとえば催奇形性作用)が現れる可能性がある薬剤で、「避けるべき」薬剤です。妊娠している人、またはその可能性のある人は服用しないでください。万が一、この薬剤が処方されたならその理由を処方医へたずね、より安全な薬剤に変更してもらいましょう。
有益と判断されたときのみ服用(使用)。
何らかの危険性があっても、治療上使わざるを得ない場合があります。「有益と判断されたときのみ」とは、妊娠している人またはその可能性のある人に対して、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ処方されることがある薬剤です。
処方時にきちんとした説明が行われます。納得して服用する場合は処方医の指示を守り、何らかの異常がみられたら、すぐに連絡してください。
未確立。
現在のところ、服用についての安全性が確立されていない薬剤です。処方された場合は、上記の「有益と判断されたときのみ」と同様に十分なインフォームド・コンセント(説明と同意)を求めてください。
「未確立」には、以下のようなバリエーションがあります。
未確立。原則として服用しない。
未確立。有益と判断されたときのみ服用。
授乳婦での安全性
原則として服用(使用)しない。やむを得ず服用(使用)するときは授乳を中止。
薬剤によっては、その成分が乳汁(母乳)に移行し、母乳を飲んだ乳児に影響を与えるものがあります。授乳している人は原則として「服用しない」ですが、治療上やむを得ず服用する場合は、服用している間は授乳をしないようにとの指示が出されます。逆に、授乳を望む人は別の薬剤を使用することになります。
服用中、授乳婦本人や乳児に何らかの異常がみられたら、すぐに処方医へ連絡してください。また、どうしても不安な人は処方医と十分に相談して、最もよい方法を選択してください。
〔その他〕
未確立。
未確立。有益と判断されたときのみ服用。
治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
など……妊婦と同様に対処してください。
小児での安全性
未確立。
本書では、とくに明記していない場合は低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児をまとめて「小児」で表してあります。「小児」に対する服用については、小児ではその薬剤の使用経験がない、または少ないため、多くは服用についての安全性は確立されていません。なお、低出生体重児、新生児、年齢などで対応を区別している場合もあります。
〔その他〕
未確立。有益と判断されたときのみ服用。
など……妊婦と同様に対処してください。
重大な副作用
副作用のなかで、特に注意すべき副作用です。発疹、かゆみなどのアレルギー症状(過敏症)の場合は、自ら服用を中止して、ただちに処方医へ連絡してください。その他の場合は服用は中止せずにただちに処方医へ連絡してください。
その他の副作用
次の三つに分かれています。
(1)服用を中止し、すぐに処方医に連絡する副作用
ほとんどがアレルギー症状(過敏症)です。自ら服用を中止して、すぐに処方医へ連絡してください。
(2)すぐに処方医に連絡する副作用
異常がみられたら、服用は中止せずに、すぐに処方医へ連絡してください。
(3)次回、受診した際に処方医に伝える副作用
上記の二つほど緊急を要しませんが、もちろん症状が続いたり、悪化するようなら、次回を待たずに、すぐに処方医へ連絡してください。
[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。
データ更新日:2023/09/27