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へまんじおるしろっぷしょうによう

ヘマンジオルシロップ小児用

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

その他の薬/その他の薬

解説タイトル

乳児血管腫治療薬

一般名 解説

プロプラノロール塩酸塩(乳児血管腫用)
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

シロップ剤 / 0.375% 1mL 263.50円

製薬会社 解説

マルホ

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

乳児血管腫治療薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

1日1~3mg/kg(体重)を2回に分け,空腹時を避けて服用。

識別コード 解説

その他 解説

保険収載年:2016/8

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

乳児血管腫

解説 解説

乳児血管腫は「いちご状血管腫」とも呼ばれ,皮膚の表面や内部にできるいちごのような外観をしている「赤あざ」の一種で,未熟な毛細血管が増殖して現れる良性の腫瘍です。
本剤は,プロプラノロール塩酸塩を有効成分とする国内初の乳児血管腫治療薬です。プロプラノロール塩酸塩(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの))(ベーター・ブロッカー(適応症が狭心症と高血圧のもの))(非選択的β(ベーター)遮断薬)の錠剤は,1960年代から高血圧,狭心症,不整脈などの治療薬として使用されており,このたび乳児血管腫が適応に加わりました。血管腫に対する作用機序は明らかではありませんが,血管収縮作用や細胞増殖抑制作用などが関係していると考えられています。
本剤はバニラいちご味のシロップ剤で,専用ピペットを用いて乳幼児に投与することで,血管腫の治癒・改善が期待されます。

使用上の注意

警告 解説

基本的注意 解説

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/気管支ぜんそく,気管支けいれんのおそれのある人/低血糖/重度の徐脈,房室ブロック(Ⅱ・Ⅲ度),洞房ブロック,洞不全症候群/心原性ショック/コントロール不良の心不全/重度の低血圧症/重度の末梢循環障害/褐色細胞腫/異型狭心症
(2)慎重に服用すべき場合……心不全/徐脈/房室ブロック(Ⅰ度)/低血圧/重い肝機能障害/重い腎機能障害/潰瘍を伴う乳児血管腫/PHACE(フェイス)症候群/出生後5週未満
(3)服用法……本剤の服用により低血糖をおこすおそれがあるため,空腹時の投与を避け,授乳中・食事中または食直後に投与します。食事を十分に摂取していない場合や嘔吐している場合は投与しないこと。また,薬剤を吐き出した場合や,急性の気管支・肺の異常,呼吸困難および喘鳴(ぜんめい)を伴う下気道感染が疑われた場合は投与せず,処方医に連絡してください。
(4)有効性の評価……本剤による治療にあたっては経過を十分観察し,投与開始24週間を目安に有効性を評価し,本剤による治療継続の必要性を検討します。
(5)その他……
・低出生体重児,新生児,出生後5週未満の乳児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)低血圧,徐脈,房室ブロック。(2)低血糖,けいれん,意識障害(意識混濁,昏睡)。(3)気管支けいれん,気管支反応性亢進(喘鳴,せきや発熱を伴う気管支炎および細気管支炎などの気道感染症の悪化)。(4)高カリウム血症。(5)無顆粒球症。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)すぐに処方医に連絡する副作用……じん麻疹,紅斑,発疹/レイノー現象,血管収縮/睡眠障害,悪夢,傾眠,激越,易刺激性/喘鳴,せき,上気道感染,気管支炎,細気管支炎/下痢,食欲減退,嘔吐,吐き戻し,便秘,腹痛,排便回数増加,悪心,放屁,異常便/おむつ皮膚炎,乾癬様皮膚炎,末梢冷感,多汗症,発熱,気分変化,泣き,冷汗,無力症,脱毛症,体重減少
(2)検査などでわかる副作用……血圧低下,心電図QT延長/AST・ALT・AL-P増加/好中球減少,貧血/血中カリウム増加

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると相互に作用が強まる薬剤……交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤:レセルピン,β遮断薬(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの))(ベーター・ブロッカー(適応症が狭心症と高血圧のもの))(チモロールマレイン酸塩(交感神経遮断薬)などの点眼薬を含む)など→交感神経抑制作用/カルシウム拮抗薬(カルシウム拮抗薬)(ベラパミル塩酸塩,ジルチアゼム塩酸塩,ニフェジピンなど)→心収縮力や刺激伝導系の抑制作用,降圧作用など
(2)本剤との併用によって血糖降下作用が強まる,また低血糖症状(頻脈など)が隠されることがある薬剤……インスリン(糖尿病治療薬(1)(インスリン製剤)),アセトヘキサミド(糖尿病治療薬(スルフォニルウレア系))など
(3)本剤との併用で,服用中止後のリバウンド現象(血圧上昇,頭痛,吐きけなど)が強まる可能性がある薬剤……クロニジン塩酸塩(中枢性α2刺激薬
(4)併用すると過度の心機能抑制(徐脈,心停止など)が現れることがある薬剤……クラスⅠ抗不整脈薬(ジソピラミド(ピリジンメタノール系抗不整脈薬),プロカインアミド塩酸塩(プロカインアミド塩酸塩)など),クラスⅢ抗不整脈薬(アミオダロン塩酸塩(アミオダロン塩酸塩)など)
(5)併用すると相互に作用が弱まる薬剤……交感神経刺激薬(アドレナリンなど)
(6)併用すると反射性頻脈が弱まり,低血圧のリスクが増加することがある薬剤……麻酔薬(セボフルランなど)
(7)本剤との併用で作用が強まることがある薬剤……リドカイン(リドカイン),ワルファリンカリウム(ワルファリンカリウム
(8)併用すると房室伝導時間が延長し,徐脈,房室ブロックなどが現れることがある薬剤……ジギタリス製剤(ジギタリス製剤
(9)併用すると両剤の作用がそれぞれに強まることがある薬剤……クロルプロマジン塩酸塩(フェノチアジン系薬剤
(10)併用すると本剤の作用が強まる可能性がある薬剤……シメチジン(ヒスタミンH2受容体拮抗薬),ヒドララジン塩酸塩(ヒドララジン塩酸塩),キニジン硫酸塩水和物(キニジン硫酸塩水和物),プロパフェノン塩酸塩(プロパフェノン塩酸塩
(11)併用すると本剤の作用が弱まることがある薬剤……非ステロイド性抗炎症薬(インドメタシン(インドール酢酸系NSAID)など),リファンピシン(リファンピシン),コレスチラミン(コレスチラミン
(12)本剤との併用で低血糖のリスクを高める可能性がある薬剤……副腎皮質ステロイド薬(副腎皮質ステロイド薬)(プレドニゾロン:長期間使用している場合)

海外評価 解説

  • 4点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2024年2月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2024/04/26