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内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

痛み・炎症・熱の薬/ステロイド内服薬

解説タイトル

副腎皮質ステロイド薬

一般名 解説

ヒドロコルチゾン
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 10mg 1錠 7.40円

製薬会社 解説

ファイザー

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

副腎皮質ステロイド

規制 解説

使用量と回数 解説

1日10~120mgを1~4回に分けて服用。

識別コード 解説

10mg 包装コード:PT 324:10mg 本体コード:PT 324:0

その他 解説

保険収載年:1959/10

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

副腎皮質ステロイド薬は炎症を抑えるのに使われます。その適応症は,簡単なかゆみからがんに至るまで無数にあるといえます。副腎皮質の働きが悪いためおこるアジソン病などに使用されるだけでなく,関節リウマチ,膠原(こうげん)病,ぜんそく,ネフローゼ,乾癬,薬疹,血液障害などに多く使用されます。
フルドロコルチゾン酢酸エステルの処方目的は,塩喪失型先天性副腎皮質過形成症,塩喪失型慢性副腎皮質機能不全(アジソン病)の治療となっています。
なお,デキサメタゾン(経口・経管・静注)は,免疫抑制・調整薬として新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症の治療に,中等症・重症の患者を対象として使われています。

解説 解説

副腎皮質から分泌されるコルチゾンというホルモンの多彩な働きが注目され,各種の副腎皮質ステロイドが合成され,臨床的に使用されています。
現在,日本で発売されている副腎皮質ステロイド薬は,コルチゾン酢酸エステル,ヒドロコルチゾン,デキサメタゾン,トリアムシノロン,ベタメタゾン,プレドニゾロンなどです。薬のなかでも,使い方が最もむずかしいものの一つで,細菌による感染症を誘発したり,胃・十二指腸潰瘍,糖尿病,副腎機能の低下,精神障害などをおこすことがあるので,次のことに注意します。
(1)他に適当な治療法があるときは,なるべく使わないようにします。
(2)本剤を服用しているときは,副作用の出現に十分に注意し,ストレスにさらされないようにし,服用中に事故にあった場合は,すぐに処方医に連絡します。
(3)急に服用をやめると,熱が出たり,頭痛,食欲不振,脱力感,筋肉痛,関節痛,ショック症状がおこることがあるので,自分勝手に服用を中止してはいけません。

使用上の注意

警告 解説

 本剤は,がんの治療にも使用されます。本剤を含むがん化学療法は緊急時に十分対応できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本療法が適切と判断される人にのみ実施されなければなりません。また,治療開始に先立ち,医師からその有効性・危険性について十分な説明を受け,患者本人(またはその家族)が納得・同意できなければ治療を行うべきではありません。

基本的注意 解説

*プレドニゾロン(プレドニン)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト(夜尿症・夜間頻尿治療薬):男性における夜間多尿による夜間頻尿)の服用中
(2)特に慎重に服用すべき場合(治療上やむを得ないと判断される場合を除き服用は避けること)……有効な抗菌薬の存在しない感染症,全身の真菌症/消化性潰瘍/精神疾患/結核性疾患/単純疱疹性角膜炎,後のう白内障,緑内障/高血圧症/電解質異常/血栓症/最近行った内臓の手術創がある人/急性心筋梗塞の前歴
(3)慎重に服用すべき場合……感染症(有効な抗菌薬の存在しない感染症,全身の真菌症を除く)/糖尿病/骨粗鬆症(こつそしょうしょう)/腎不全/甲状腺機能低下/肝硬変,脂肪肝/脂肪塞栓症/重症筋無力症/B型肝炎ウイルスのキャリアまたは既往感染者/強皮症/小児,高齢者
(4)食事……服用中は,カリウム,ビタミン,タンパク質に富んだもので,脂肪,糖質,塩分の少ないものをとるようにします。
(5)水痘・麻疹……本剤を服用中に水痘(水ぼうそう),麻疹(はしか)に感染すると,致命的な経過をたどることがあるので,十分な注意が必要です。
(6)急な服用中止……連用後,服用を急に中止すると,ときに発熱,頭痛,食欲不振,脱力感,筋肉痛,関節痛,ショックなどの離脱症状が現れることがあるので,自己判断で中止してはいけません。離脱症状が現れた場合は,ただちに処方医へ連絡してください。
(7)生ワクチン……服用中,あるいは服用中止後6カ月以内の場合は,どんな生ワクチンでも接種してはいけません。服用中の接種で神経障害,抗体反応の欠如がおこったという報告があります。
(8)服用中の妊娠……妊娠に気づいたら,すぐに処方医に連絡を。動物実験で催奇形(さいきけい)性が報告されています。
(9)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ服用。
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)誘発感染症や感染症の増悪。(2)糖尿病,続発性副腎皮質機能不全。(3)消化管潰瘍,消化管穿孔(せんこう),消化管出血。(4)膵炎。(5)精神変調,うつ状態,けいれん。(6)骨粗鬆症,大腿骨や上腕骨などの骨頭無菌性壊死,ミオパチー。(7)眼圧上昇,緑内障,後のう白内障,中心性漿液性脈絡網膜症・多発性後極部網膜色素上皮症。(8)血栓症。(9)心筋梗塞,脳梗塞,動脈瘤。(10)硬膜外脂肪腫。(11)腱断裂(アキレス腱など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(発疹など)
(2)次回,受診した際に処方医に伝える副作用……月経異常,クッシング症候群様症状/下痢,悪心・嘔吐,胃痛,胸やけ,腹部膨満感,口渇,食欲不振,食欲亢進,腸管のう胞様気腫症/徐脈/縦隔気腫/多幸症,不眠,頭痛,めまい,易刺激性/筋肉痛,関節痛/満月様顔貌(がんぼう),野牛肩/むくみ/網膜障害,眼球突出/ざ瘡,多毛,脱毛,色素沈着,皮下溢血,紫斑,線条,かゆみ,発汗異常,顔面紅斑,脂肪織炎,発熱,疲労感,ステロイド腎症,体重増加,精子数およびその運動性の増減,尿路結石,創傷治癒障害,皮膚・結合組織の菲薄化・脆弱(ぜいじゃく)化
(3)検査などでわかる副作用……窒素負平衡,脂肪肝/血圧上昇/低カリウム性アルカローシス/白血球増多/ステロイド腎症/精子数およびその運動性の増減

併用してはいけない薬 解説

デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト(夜尿症・夜間頻尿治療薬):男性における夜間多尿による夜間頻尿)→低ナトリウム血症が現れるおそれがあります。
[ヒドロコルチゾン,メチルプレドニゾロン]生ワクチンまたは弱毒生ワクチン(乾燥弱毒生麻疹ワクチン,乾燥弱毒生風疹ワクチン,経口生ポリオワクチン,乾燥BCGワクチンなど)→免疫抑制が生じる量の副腎皮質ホルモン薬を服用中の人がワクチンを接種すると,ワクチン株の異常増殖または毒性の復帰が現れるおそれがあります。
[デキサメタゾン]リルピビリン塩酸塩(エイズ治療薬(1)),オデフシィ配合錠(エイズ治療薬(1)),ジャルカ配合錠(エイズ治療薬(3)),ダクラタスビル塩酸塩,アスナプレビル→これらの薬剤の血中濃度が低下し,作用が弱まるおそれがあります。
[デカドロンエリキシル]ジスルフィラム(断酒薬)(ノックビン),シアナミド(断酒薬)(シアナマイド)→急性ジスルフィラム・シアナミド-アルコール反応(顔面潮紅,血圧降下,胸部圧迫感,心悸亢進,頻脈,悪心,嘔吐,頭痛,失神,めまい,けいれん,呼吸困難,視力低下など)が現れることがあります。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると本剤の作用が弱まることがある薬剤……バルビツール酸誘導体(バルビツール酸誘導体),フェニトイン(フェニトイン),リファンピシン(リファンピシン
(2)併用時に本剤を減量するとサリチル酸中毒をおこすことがある薬剤……サリチル酸誘導体(アスピリン(アスピリン)など)
(3)本剤との併用で作用が弱まることがある薬剤……抗凝血薬,経口糖尿病薬,インスリン製剤
(4)併用すると低カリウム血症が現れることがある薬剤……利尿降圧薬(カリウム保持性利尿薬を除く:フロセミド(ループ利尿薬),アセタゾラミド(アセタゾラミド),トリクロルメチアジド(チアジド系薬剤)など)
(5)併用すると高カルシウム尿症,尿路結石が現れることがある薬剤……活性ビタミンD3製剤(アルファカルシドール(活性型ビタミンD3製剤)など)
(6)他の副腎皮質ステロイド薬(大量服用)との併用で血中濃度が上昇するとの報告がある薬剤……シクロスポリン(シクロスポリン
(7)併用すると本剤の作用が強まることがある薬剤……エリスロマイシン(マクロライド
(8)併用すると筋弛緩作用が減弱または増強することがある薬剤……非脱分極性筋弛緩薬(パンクロニウム臭化物,臭化ベクロニウム)
(9)併用すると腱障害のリスクが強まることがある薬剤……キノロン系抗菌薬(レボフロキサシン水和物(ニューキノロン剤),メシル酸ガレノキサシン水和物(ニューキノロン剤)など)

海外評価 解説

  • 6点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27