病気事典[家庭の医学]

せんしょくたい

染色体

染色体について解説します。

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染色体の解説(コラム)

 子どもの顔や体つきが親に似るように、親の形質が子に伝わる現象を遺伝といいます。ヒトの体は約60兆個の細胞からできていて、それぞれの細胞の核のなかにはデオキシリボ核酸(DNA)が入っています。DNAは長い糸のようなもので、ここに蛋白質をつくるための暗号が並んでいます。

 ある蛋白質をつくるために必要なDNAの一部分を遺伝子といいます。遺伝を担っているのがこの遺伝子で、ヒトでは2万数千個あると考えられています。DNAで遺伝子に相当する部分は約5%だけで、残りの部分のはたらきはよくわかっていません。

 染色体は細胞核のなかでDNAがヒストンなどの蛋白質に巻きついて折り畳まれたものです。ヒトの染色体は直線状で、動原体(どうげんたい)を境に短腕(たんわん)(p)と長腕(ちょうわん)(q)に分けられます。ヒトには46本の染色体があります。このうち2本は性染色体(せいせんしょくたい)で男女の性別の決定に関わり、女性はXX、男性はXYの組み合わせです。残りの44本は常染色体(じょうせんしょくたい)で、2本ずつ対をなしています。大きさと形からこれらには1〜22番の名前がついています。

 子どもは両親それぞれから22本の常染色体と1本の性染色体のセットを受け継ぎます。

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