病気事典[家庭の医学]
さんりゅう
産瘤
産瘤について解説します。
執筆者:
新潟市民病院総合周産期母子医療センター新生児科副センター長
佐藤 尚
赤ちゃんが狭い産道を通過する際に、周囲からの圧迫によって先頭で進む部分の皮下の軟部組織に浮腫(ふしゅ)(むくみ)や出血が起こり、こぶ状に隆起したものです。多くの赤ちゃんは頭を先にして生まれてきますので、その際は頭部に生じます。先頭で進む場所によっては臀部(でんぶ)や足にできることもあります。
出生直後からみられ、手のひらで包みこめる程度の大きさです。産道を通過する際の摩擦により、表面や周囲の皮膚に擦り傷ができることもあります。指で押すと軟らかく、押した跡にくぼみが残ります。これに似たものに頭血腫(とうけっしゅ)がありますが、頭血腫は触れるとなかに液体がある感じ(波動性)があり、押したあともくぼみが残らないことで区別できます。
2~3日で自然に吸収されて消えます。とくに病的なものではなく、治療の必要はありません。
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