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内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

皮膚科・泌尿器科の薬/皮膚科の薬(アレルギー用薬を含む)

解説タイトル

ヤヌスキナーゼ阻害薬(皮膚用)

一般名 解説

ウパダシチニブ水和物
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 7.5mg 1錠 2,594.60円
錠剤 / 15mg 1錠 5,089.20円
錠剤 / 30mg 1錠 7,351.80円
錠剤 / 45mg 1錠 9677.60円

製薬会社 解説

アッヴィ

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

[アトピー性皮膚炎]15mgを1日1回服用。状態に応じて30mgを1日1回服用できる。[関節症性乾癬]15mgを1日1回服用。

識別コード 解説

7.5mg 本体コード:7.5
15mg 本体コード:15
30mg 本体コード:30
45mg 本体コード:45

その他 解説

保険収載年:2020/4

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[バリシチニブの適応症]既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎/円形脱毛症(ただし,脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)
[ウパダシチニブ水和物の適応症]既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎/既存治療で効果不十分な関節症性乾癬
[アブロシチニブの適応症]既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
[リトレシチニブトシル酸塩の適応症]円形脱毛症(ただし,脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)

解説 解説

ここに掲載する4つの製剤は,アトピー性皮膚炎,円形脱毛症,関節症性乾癬に伴う炎症に重要な役割を果たす細胞内のシグナル伝達経路であるJAK(ヤヌスキナーゼ)Pathwayを阻害する薬剤(ヤヌスキナーゼ阻害薬)で,炎症や細胞の活性化,免疫細胞の増殖を抑制します。
アトピー性皮膚炎の場合は,ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの抗炎症外用薬による適切な治療を一定期間受けても十分な効果が得られず,強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ場合が適応で,原則としてアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用薬を併用します。また,服用時も保湿外用薬を継続使用します。ウパダシチニブ水和物とアブロシチニブは12歳以上が適応ですが,バリシチニブは15歳以上が適応です。
円形脱毛症の場合(バリシチニブ,リトレシチニブトシル酸塩)は,服用開始時に,頭部全体の概ね50%以上に脱毛が認められ,過去6カ月程度毛髪に自然再生が認められない人に処方されます。関節症性乾癬の場合(ウパダシチニブ水和物)は,過去の治療において既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬など)による適切な治療を行っても,疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に処方されます。
なお,バリシチニブは関節リウマチおよびSARS-CoV-2による肺炎(ヤヌスキナーゼ阻害薬),ウパダシチニブ水和物は関節リウマチ・体軸性脊椎関節炎・強直性脊椎炎(ヤヌスキナーゼ阻害薬),潰瘍性大腸炎・クローン病(潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬(4))も適応となっています。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤の服用により結核,肺炎,敗血症,ウイルス感染などによる重い感染症の新たな発現もしくは悪化などが報告されており,本剤との関連性は明らかではありませんが,悪性腫瘍の発現も報告されています。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め,これらのことを十分に話し合い納得したうえで,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用されるべき薬剤です。また,本剤の服用により重い副作用が発現し,致命的な経過をたどることがあるので,緊急時の対応が十分可能な医療施設および医師によって処方され,服用後に副作用が発現した場合にはすぐに主治医に連絡しなければなりません。
(2)敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症などの致死的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発症に注意する必要があります。
(3)播種性結核(粟粒結核)および肺外結核(脊椎,リンパ節など)を含む結核が報告されています。結核の既感染者では症状の顕在化および悪化のおそれがあるため,本剤の服用に先立って結核に関する十分な問診および胸部X線検査に加え,インターフェロン-γ遊離試験またはツベルクリン反応検査を行い,適宜胸部CT検査などを行うことにより,結核感染の有無を確認する必要があります。結核の前歴のある人・結核の感染が疑われる人には,結核などの感染症について診療経験を有する医師と連携のもと,原則として本剤の服用開始前に適切な抗結核薬を服用することが必要です。ツベルクリン反応などの検査が陰性の患者において服用後に活動性結核が認められた例も報告されています。
(4)本剤は,本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。

基本的注意 解説

*全剤の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/重い感染症(敗血症など)/活動性結核/好中球数が1,000/mm3未満(バリシチニブは500/mm3未満)/リンパ球数が500/mm3未満/ヘモグロビン値が8g/dL未満/妊婦または妊娠している可能性のある人/[ウパダシチニブ水和物のみ]重度の肝機能障害/小児(体重30kg以上40kg未満)/[バリシチニブのみ]重度(eGFR<30)の腎機能障害/[アブロシチニブのみ]血小板数が50,000/mm3未満/重度の肝機能障害(Child Pugh分類C)/[リトレシチニブトシル酸塩のみ]血小板数が100,000/mm3未満/重度の肝機能障害(Child Pugh分類C)
(2)慎重に服用すべき場合……感染症(重い感染症を除く)または感染症が疑われる人/結核の既感染者(特に結核の前歴のある人および胸部X線上で結核治癒所見のある人)または結核感染が疑われる人/感染症にかかりやすい状態にある人/腸管憩室/間質性肺炎の前歴/静脈血栓塞栓症のリスク(喫煙,高血圧,糖尿病,冠動脈疾患の既往など)のある人/好中球減少(好中球数1,000/mm3未満(バリシチニブは500/mm3未満)を除く)/リンパ球減少(リンパ球数500/mm3未満を除く)/ヘモグロビン値減少(ヘモグロビン値8g/dL未満を除く)/高齢者(リトレシチニブトシル酸塩を除く)/[ウパダシチニブ水和物]腎機能障害/軽度または中等度の肝機能障害/[バリシチニブのみ]中等度の腎機能障害/肝機能障害/[アブロシチニブのみ]血小板減少(血小板数50,000/mm3未満を除く)/中等度(30≦eGFR<60)または重度(eGFR<30)の腎機能障害/[リトレシチニブトシル酸塩のみ]血小板減少(血小板数100,000/mm3未満を除く)
(3)生ワクチン……本剤の服用による感染症発現のリスクを否定できないので,服用直前および服用中は生ワクチンの接種を行ってはいけません。
(4)飲食物……[ウパダシチニブ水和物]セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は,本剤の作用を弱めるおそれがあり,一方,グレープフルーツは本剤の作用を強めるおそれがあるので,服用中はこれらの飲食物を摂取しないようにしてください。
(5)避妊……妊娠可能な女性は,本剤服用中と服用終了後一定期間は適切な避妊を行ってください。動物実験で妊娠率の低下,黄体数および着床数の減少などが認められています。
(6)その他……
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性(ウパダシチニブ水和物・アブロシチニブ・リトレシチニブトシル酸塩は12歳未満):未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)重い感染症(単純ヘルペス,帯状疱疹,肺炎,結核,敗血症,日和見感染症など)。(2)静脈血栓塞栓症(肺塞栓症,深部静脈血栓症)。(3)血小板減少,ヘモグロビン減少,リンパ球減少,好中球減少。(4)肝機能障害,黄疸。
[バリシチニブ,ウパダシチニブ水和物,アブロシチニブ](5)間質性肺炎(発熱,せき,呼吸困難など)。(6)消化管穿孔(せんこう)。
[ウパダシチニブ水和物のみ](7)重篤な過敏症(アナフィラキシー,血管浮腫)。
[リトレシチニブトシル酸塩のみ](8)出血(鼻出血,尿中血陽性,挫傷など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

[アブロシチニブ]
(1)すぐに処方医に連絡する副作用……悪心,腹痛,嘔吐,下痢,消化不良,腹部不快感,胃食道逆流性疾患,腹部膨満/疲労,無力症,発熱/上咽頭炎,上気道感染,毛包炎,尿路感染,結膜炎,ヘルペス性状湿疹,膿痂疹,インフルエンザ,咽頭炎,副鼻腔炎,気管支炎,膀胱炎,せつ,膿瘍,皮膚感染,胃腸炎,下気道感染,感染性湿疹,皮膚真菌感染/リンパ節症/せき,鼻出血/動悸,心室内伝導障害/頭痛,浮動性めまい/体重増加/ざ瘡(にきび),脱毛症,じん麻疹,かゆみ/皮膚乳頭腫(疣贅(ゆうぜい)(いぼ)など)
(2)検査などでわかる副作用……白血球減少,赤血球減少,白血球増加/高血圧/高脂血症(脂質異常症を含む)/血中CK増加,NK細胞減少,LDH増加,γ-GTP上昇,尿中タンパク陽性,プロトロンビン時間延長

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

[ウパダシチニブ水和物]
(1)併用すると本剤の作用が強まるおそれがある薬剤……イトラコナゾール(深在性真菌治療薬),リトナビル(エイズ治療薬(2)),クラリスロマイシン(マクロライド)など
(2)併用すると本剤の作用が弱まるおそれがある薬剤……リファンピシン(リファンピシン),カルバマゼピン(カルバマゼピン),フェニトイン(フェニトイン)など
[バリシチニブ]
(1)併用すると本剤の作用が強まるおそれがある薬剤……プロベネシド(プロベネシド
[アブロシチニブ]
(1)併用すると本剤の作用が強まる可能性がある薬剤……フルコナゾール(深在性真菌治療薬),フルボキサミンマレイン酸塩(選択的セロトニン再取り込み阻害薬),チクロピジン塩酸塩(チクロピジン塩酸塩
(2)併用すると本剤の効果が弱まる可能性がある薬剤……リファンピシン(リファンピシン
(3)本剤との併用で作用が強まるおそれがある薬剤……ダビガトラン(ダビガトラン),ジゴキシン(ジギタリス製剤)など
(4)本剤との併用で作用が弱まるおそれがある薬剤……クロピドグレル(クロピドグレル
[リトレシチニブトシル酸塩]
(1)本剤との併用で血中濃度が上昇し重い副作用が現れる可能性のある薬剤……ミダゾラム(ミダゾラム),テオフィリン(テオフィリン)など

海外評価 解説

  • 5点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2024年2月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2024/04/26