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内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

がんに使われる内服薬/分子標的治療薬

解説タイトル

NTRK融合遺伝子陽性がん治療薬

一般名 解説

エヌトレクチニブ
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

カプセル剤 / 100mg 1カプセル 5,310.80円
カプセル剤 / 200mg 1カプセル 10,073.00円

製薬会社 解説

中外

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

抗悪性腫瘍薬(チロシンキナーゼ阻害薬)

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

100mg 本体コード:ENT 100
200mg 本体コード:ENT 200

その他 解説

保険収載年:2019/9

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん/[エヌトレクチニブのみの適応症]ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん

解説 解説

NTRK融合遺伝子とは,NTRK遺伝子と他の遺伝子とが染色体転座の結果,融合してできる異常な遺伝子で,がん細胞の増殖を促進すると考えられています。この融合遺伝子の発現は,さまざまな固形がん(血液のがん以外の臓器や組織などで塊をつくるがん)で確認されています。エヌトレクチニブはアメリカ食品医薬品局(FDA)により,NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんに対する画期的治療薬として指定されています。エヌトレクチニブについでラロトレクチニブ硫酸塩が2021年5月に発売されました。
なお,エヌトレクチニブには「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」も適応追加となりました。これまでこのタイプの肺がんの治療薬としてはクリゾチニブ(ALK融合遺伝子陽性がん治療薬)だけでしたが,本剤にも有効性が認められ,選択肢の幅が広がりました。

使用上の注意

警告 解説

本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識・経験をもつ医師のもと,本剤の使用が適切と判断される人にのみ使用されるべき薬剤です。また,治療開始に先立ち,患者または家族は医師からその有効性,危険性について十分な説明を受け,納得・同意したのち使用を開始しなければなりません。

基本的注意 解説

*両剤の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴
(2)慎重に服用すべき場合……[エヌトレクチニブ]肝機能障害/[ラロトレクチニブ硫酸塩]中等度以上の肝機能障害(Child-Pugh分類BまたはC)
(3)飲食物……(1)[エヌトレクチニブ,ラロトレクチニブ硫酸塩]グレープフルーツ含有食品は本剤の作用を強め,副作用が強まるおそれがあるので,服用中は摂取しないでください。(2)[ラロトレクチニブ硫酸塩]セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は本剤の作用を弱めるおそれがあるので,服用中は摂取しないでください。
(4)避妊……妊娠可能な女性,パートナーが妊娠する可能性のある男性(エヌトレクチニブの場合)は,本剤服用中および服用終了後一定期間は適切な避妊を行ってください。
(5)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ服用。
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

[エヌトレクチニブ](1)心臓障害(心不全,心室性期外収縮,心筋炎など)。(2)QT間隔延長。(3)認知障害,錯乱状態,精神状態変化,記憶障害,幻覚,運動失調,構語障害など。(4)間質性肺疾患。
[ラロトレクチニブ硫酸塩](1)肝機能障害。(2)骨髄抑制(好中球減少,白血球減少,貧血,血小板減少,リンパ球減少など)。(3)中枢神経系障害(浮動性めまい,錯感覚,歩行障害,運動失調,認知障害など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

[エヌトレクチニブ]
(1)おこることがある副作用……味覚異常,めまい,錯感覚,末梢性ニューロパチー,感覚鈍麻,知覚過敏,頭痛,不眠症,失神,傾眠/便秘,下痢,悪心,嘔吐,嚥下障害,口内乾燥,胃食道逆流性疾患,食欲減退,腹痛,放屁,口内炎,消化不良,食欲亢進,腹部膨満/尿失禁,尿路感染/発疹,皮膚乾燥,かゆみ,皮膚疼痛,光線過敏性反応/関節痛,筋肉痛,筋力低下,筋痙縮(けいしゅく),筋骨格痛,骨折/呼吸困難,胸水,せき,肺感染/霧視,羞明(しゅうめい)(まぶしい)/甲状腺機能低下症/疲労,むくみ,体重増加,腫脹,発熱,倦怠感,脱水,体重減少,疼痛
(2)検査などでわかる副作用……血中クレアチニン増加/AST・ALT・AL-P増加,血中乳酸脱水素酵素(LDH)増加/貧血,好中球減少,白血球減少,リンパ球減少,血小板減少/低血圧/高尿酸血症,高ナトリウム血症

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

[エヌトレクチニブ]
(1)併用すると本剤の副作用の発現頻度および重症度が増加するおそれがある薬剤……CYP3A阻害薬(イトラコナゾール(深在性真菌治療薬),クラリスロマイシン(マクロライド),ジルチアゼム塩酸塩(カルシウム拮抗薬)など),CYP3Aの基質となる薬剤(ミダゾラム(ミダゾラム),シンバスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬),リバーロキサバン(凝固第X因子阻害薬)など)
(2)併用すると本剤の有効性が弱まるおそれがある薬剤……CYP3A誘導薬(リファンピシン(リファンピシン),フェニトイン(フェニトイン),モダフィニル(ナルコレプシーに用いる薬)など)

海外評価 解説

  • 2点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

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データ更新日:2024/04/26